問題

方針
コンデンサの並列接続の問題です。(平成10年問6と同じ問題ですが、与えられた数値が違います)
「電荷保存則と合成電荷」より、並列接続した時の二つのコンデンサの状態を考えます。
「コンデンサの電気量」「静電エネルギー」の式より静電エネルギーを求めたいと思います。
解法
「電荷保存則と合成電荷」
電荷保存則より、孤立した極板(電源と接続されていないコンデンサ極板部分)の電荷の総量は変わらないので、コンデンサ間を移動しても合計の電荷量は変わらない。(Q=Q1+Q2)
充電状態のコンデンサに、空のコンデンサを接続すると、電荷が空のコンデンサに移動する。このとき、(+)電荷、(ー)電荷は、繋がった回路だけを移動するので、コンデンサが直列的に接続されていても、+側、ー側を基準にすれば並列接続と同じ状態(コンデンサの電圧は等しい)になる。
二つのコンデンサが同電圧となるまで、電荷が移動される。(この電圧を超えたときコンデンサの絶縁は破壊される)
二つのコンデンサの静電容量が同じならば、Q1=Q2となる。

上記のように、コンデンサを並列接続すると、充電状態のコンデンサに空のコンデンサを接続すると、充電された電荷量は二つのコンデンサが同電圧となるように移動します。
「コンデンサの電気量」の式
$\displaystyle Q=CV \ [C] $
$Q$:電荷 [$C$]
$C$:静電容量 [$F$]
$V$:電圧 [$V$]
「静電エネルギー」の式
$\displaystyle W=\frac{1}{2}QV=\frac{1}{2}CV^2 \ [J] $
$W$:静電エネルギー [$J$]
$Q$:電荷 [$C$]
$V$:電圧 [$V$]
$C$:静電容量 [$F$]
充電された電荷量Qは「コンデンサの電気量」の式より以下となります。
$\displaystyle Q=CV \ [C] $
並列接続後のコンデンサの電荷量をそれぞれQ1、Q2、静電容量はC、2Cで、電圧は同じなのでV’とすると以下のなります。
$\displaystyle Q_1=CV’ \ [C] $
$\displaystyle Q_2=2CV’ \ [C] $
電荷の総量は変わらないので、以下の式が成り立ちます。
$\displaystyle Q=Q_1+Q_2 $
$\displaystyle CV=CV’+2CV’ $
$\displaystyle V’=\frac{V}{3} $
電圧V’が分かったので、「静電エネルギー」の式よりそれぞれの静電エネルギーW1、W2を求めて加算します。
$\displaystyle W_1=\frac{1}{2}CV’^2=\frac{1}{2}C×\left(\frac{V}{3}\right)^2=\frac{1}{18}CV^2 \ [J] $
$\displaystyle W_2=\frac{1}{2}2CV’^2=\frac{1}{2}2C×\left(\frac{V}{3}\right)^2=\frac{2}{18}CV^2 \ [J] $
$\displaystyle W=W_1+W_2=\frac{1}{18}CV^2+\frac{2}{18}CV^2=\frac{1}{6}CV^2 \ [J] $
解答
解答は(2)となります。

