電験三種(令和7年度上期) 理論 問9

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問題

方針

RLC並列回路」に関する電流の問題です。
スイッチSを開いた状態でRL直列回路、閉じた状態でRL直列回路とRの並列回路となるので、コイルLは変化しないことを踏まえて、「交流の複素数(ベクトル)表現」を使って考えたいと思います。

解法

「RLC並列回路」
合成電流はベクトル表現で、右方向に電圧および抵抗の電流IR、上方向にコンデンサの電流IC、下方向にコイルの電流ILとなる。

$\displaystyle \dot{I}=I_R+j(I_C-I_L) $

「交流の複素数(ベクトル)表現」
交流電源に、力率0.6の負荷が接続されたときに流れた電流が10Aだった場合の電流値を考える。

  1. 電流10Aは、10cosθ(有効電流)と10sinθ(無効電流)の合成電流の値と考える。
  2. cosθ=0.6 なので、sinθ2+cosθ2=1 より sinθ=0.8
  3. 有効電流と無効電流を複素数表現すると、I=10(cosθ+jsinθ)=10(0.6+j0.8)=6+j8となる。
  4. I=x+jyの複素数で、実数部分はx軸、虚数部分はy軸に該当する。
  5. ベクトル図で表すと以下のようになる。

$\displaystyle \dot{I}=|\dot{I}|(cosθ+jsinθ)=6+j8 $

$\displaystyle |\dot{I}|=\sqrt{6^2+8^2}=10 \ [A] $

スイッチSを開いた状態では、問題文の電流I=30A、力率cosθ=0.8、sinθ=0.6より、複素数表現にすると以下になります。

$\displaystyle \dot{I}=|\dot{I}|(cosθ+jsinθ)=30×(0.8+j0.6)=24+j18 $

上記の式より、スイッチSを開いた状態の抵抗R0の有効電流は24A、コイルXLの無効電流は18Aとなります。
スイッチSを閉じた時、電流は82Aとなり、全体の抵抗(有効電流)が変わりますがコイルXL(無効電流)は変わりません。
抵抗Rに流れる電流(有効電流)IR=140/Rとすると、スイッチSを閉じた時の電流は以下の式となります。

$\displaystyle 82=\sqrt{\left(24+\frac{140}{R}\right)^2+18^2} $

$\displaystyle R=2.5 \ [Ω] $

解答

解答は(3)となります。

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