電験三種(令和7年度上期) 理論 問12

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問題

方針

電界中の電子に関する問題です。(平成18年問12と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
(ア)については「電界の強さ」の式
(イ)については「電子の放出現象
(ウ)については「電界中の電子エネルギー」の式
上記より考えたいと思います。

解法

(ア)

「電界の強さ」の式

$\displaystyle E=\frac{V}{d} \ [V/m] $

$E$:電界の強さ [$V/m$]
$V$:電圧 [$V$]
$d$:電極間の距離 [$m$]

電圧V=2000V、電極板の間隔d=6mmより、電界の強さEを求めます。

$\displaystyle E=\frac{V}{d}=\frac{2000}{6×10^{-3}}≒3.3×10^5 \ [V/m] $

(イ)

「電子の放出現象」
金属などの表面から真空中に電子が放出される現象。
金属(導体)は禁制体が無いので、フェルミ準位は伝導帯と価電子帯の境界の位置となる。フェルミ準位にある電子に仕事関数(1個の電子を外部へ取り出すために必要な最小のエネルギー)が加えられると、電子は伝導帯に移行し、固体の表面から電子を放出できる。
熱電子放出
金属などの固体が加熱されて高温になると、固体内の自由電子の運動は激しくなり、表面のエネルギー障壁を越えて外へ飛出す。
光電子放出
物質に光を当てたとき、物質内の電子が外部に放出される現象。
波長が長すぎても短すぎてもダメで、丁度よい紫外線を照射すると放出する。
飛び出てくる電子の数は、光の強さに比例している。

上記より、「熱電子」となります。

(ウ)

「電界中の電子エネルギー」の式

$\displaystyle W=eV=\frac{1}{2}mv^2 \ [J] $

$W$:電子エネルギー [$J$]
$e$:電荷 [$C$]
$V$:電圧 [$V$]
$m$:質量 [$kg$]
$v$:速度 [$m/s$]

電子素量e=1.6×10-19C、電圧V=2000Vより、運動エネルギーWを求めます。

$\displaystyle W=eV=1.6×10^{-19}×2000=3.2×10^{-16} \ [J] $

解答

(ア)~(ウ)すべてを満たすのは(5)となります。

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