電験三種(令和7年度上期) 理論 問16

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問題

方針

電流・電圧の測定回路に関する計算問題です。
(a)については電流計の「分流器」の式より求めたいと思います。
(b)については電圧計の「倍率器」の式より求めたいと思います。

解法

(a)

「分流器」
電流計の測定範囲をm倍に拡大するための抵抗(Rs)で、電流計と並列に接続する。

$\displaystyle R_s=\frac{r_a}{(m-1)} \ [Ω] $

$R_s$:分流器の抵抗 [$Ω$]
$r_a$:内部抵抗 [$Ω$]
$m$:倍率

問題の条件Ⅰの回路を、コイル部分を電流計として上記の回路に合わせた形にします。

条件Ⅰでは、電流計に4mAの電流が流れたときに、回路全体では1Aとなる分流器が接続された回路となります。従って倍率はm=250倍となります。
電流計側の直列回路はすべて内部抵抗とみなし、並列回路のR1が分流器の抵抗となります。

$\displaystyle R_1=\frac{r+R_0+R_2}{(m-1)}=\frac{5+19+R_2}{(250-1)} $

$\displaystyle R_2=249R_1-24 $

問題の条件Ⅱの回路を、コイル部分を電流計として上記の回路に合わせた形にします。

条件Ⅱでは、電流計に4mAの電流が流れたときに、回路全体では100mAとなる分流器が接続された回路となります。従って倍率はm=25倍となります。
電流計側の直列回路はすべて内部抵抗とみなし、並列回路のR1+R2が分流器の抵抗となります。

$\displaystyle R_1+R_2=\frac{r+R_0}{(m-1)}=\frac{5+19}{(25-1)} $

$\displaystyle R_1+R_2=1 $

条件Ⅰと条件Ⅱの式よりR1を求めます。

$\displaystyle R_1+(249R_1-24)=1 $

$\displaystyle R_1=\frac{25}{250}=0.1 \ [Ω] $

(b)

「倍率器」
電圧計の測定範囲をm倍に拡大するための抵抗(Rm)で、電圧計と直列に接続する。

$\displaystyle R_m=(m-1)r_v \ [Ω] $

$R_m$:倍率器の抵抗 [$Ω$]
$r_v$:内部抵抗 [$Ω$]
$m$:倍率

問題の条件Ⅲの回路を、コイル部分を電圧計として上記の回路に合わせた形にします。

電圧計部分には分流器としてR1+R2+R3が接続された状態となります。
電圧計に4mAの電流が流れたときの電圧Vを求めます。内部抵抗r=5Ωより

$\displaystyle V=5×4×10^{-3}=0.02 \ [V] $

電圧計部分が0.02Vの電圧となるときに、回路全体では1.2Vとなる倍率器が接続された回路なので、倍率はm=60倍となります。
R3が倍率器の抵抗となるので、倍率器の式より計算します。

$\displaystyle R_3=(m-1)r=(60-1)×4=236 \ [Ω] $

解答

(a)の解答は(1)となります。
(b)の解答は(4)となります。

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