問題

方針
三相3線式の電線の電圧降下に関する問題です。(平成13年問12と同じ問題です)
(a)は、「交流の複素数表現」を使用して合成電流を求めたいと思います。
(b)は、「送配電線の電圧降下の近似式」を使って、各地点の電圧降下からB点の電圧を求めたいと思います。
解法
(a)
「交流の複素数表現」
力率0.6の負荷が接続されたときに流れた電流が10Aだった場合の電流値を考える。
電流10Aは、10cosθ(有効電流)と10sinθ(無効電流)の合成電流の値と考える。
$\displaystyle \dot{I}=|\dot{I}|(cosθ+jsinθ)=10(0.6+j0.8)=6+j8 $
$\displaystyle |\dot{I}|=\sqrt{6^2+8^2}=10 \ [A] $
S-A間を流れる電流Iは、A点、B点の電流を合成したものとなります。
A点は、負荷電流200Aで力率0.8なのでcosθ=0.8、sinθ=0.6
B点は、負荷電流100Aで力率0.6なのでcosθ=0.6、sinθ=0.8
これらの電流を複素数表現すると以下のようになります。
$\displaystyle \dot{I_A}=200(0.8+j0.6)=160+j120 $
$\displaystyle \dot{I_B}=100(0.6+j0.8)=60+j80 $
A点、B点の電流を合成して、電流Iを求めます。
$\displaystyle \dot{I}=\dot{I_A}+\dot{I_B}=(160+60)+j(120+80)=220+j200 $
有効成分は220Aとなります。
(b)
「送配電線の電圧降下の近似式」三相3線式の式
$\displaystyle v=\sqrt{3}I(Rcosθ+Xsinθ) \ [V] $
$I$:線電流 [$A$]
$R$:抵抗(電線1線あたり) [$Ω$]
$X$:リアクタンス(電線1線あたり) [$Ω$]
$Rcosθ+Xsinθ$:等価抵抗 [$Ω$]
上記の式を使って、各点の電圧降下を求めます。
まず、A-B間の電圧降下vABを求めます。
AーB間は、抵抗R=0.3×2=0.6Ω、リアクタンスX=0.3×2=0.6Ωとなります。
B点の電流I=100A、、cosθ=0.6、sinθ=0.8より、以下となります。
$\displaystyle v_{AB}=\sqrt{3}×100×(0.6×0.6+0.6×0.8)=145.32 \ [V] $
次に、S-A間の電圧降下vSAを求めます。
SーA間は、B点の電流とA点の電流の合計なので、両方の電圧降下を足したものとなります。
SーA間は、抵抗R=0.3×2=0.6Ω、リアクタンスX=0.3×2=0.6Ωとなります。
B点の電流I=100A、cosθ=0.6、sinθ=0.8の電圧降下vSA1は以下となります。
$\displaystyle v_{SA1}=\sqrt{3}×100×(0.6×0.6+0.6×0.8)=145.32 \ [V] $
A点の電流I=200A、cosθ=0.8、sinθ=0.6の電圧降下vSA2は以下となります。
$\displaystyle v_{SA2}=\sqrt{3}×200×(0.6×0.8+0.6×0.6)=290.64 \ [V] $
S-A間の電圧降下vSAは以下となります。
$\displaystyle v_{SA}=v_{SA1}+v_{SA2}=145.32+290.64=435.96 \ [V] $
B点の電圧は、S点の電圧6600VよりS-A間の電圧降下vSAとAーB間の電圧降下vABを引いたものとなります。
$\displaystyle V_B=6600-v_{SA}-v_{AB}=6600-435.96-145.32≒6020 \ [V] $
解答
(a)の解答は(3)となります。
(b)の解答は(1)となります。

