消防設備の設置と保守

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消防設備の分類

消防法令上の消防用設備とは、「消防の用に供する設備」「消防用水及び消火活動上必要な施設」の総称である。

消防の用に供する設備

消火設備(消火器や消火栓)、警報設備(自動火災報知設備や火災報知器)、避難設備(はしごや誘導灯)に分類される。
消火設備は、第1種から第5種まで分類されている。

  • 第1種:消火栓設備。
  • 第2種:スプリンクラー設備。
  • 第3種:泡、ガス、粉末消火設備など。
  • 第4種:大型消火器。
  • 第5種:小型消火器、乾燥砂、水バケツなど。

消防活動上必要な施設

排煙設備、連結送水管、非常用コンセントなど。

消防用水

消防隊が消火活動を行う際の水を確保する為の水源。

消防設備の設置

消防設備等の設置単位

防火対象物が開口部の無い耐火構造の床または壁で区画されている場合は、それぞれ1つ設置する。
複合用途防火対象物の場合は、同じ用途部分ごとに1つ設置する。
地下街は、全体として1つ設置する。
渡り廊下などで防火対象物を接続した場合は、あわせて1つ設置する。

既存防火対象物に対する適用除外

原則は、既存の防火対象物は現行の技術上の基準は適用されない。
ただし、以下の場合は、法令の改正に合わせなければならない。

  • 特定防火対象物。(用途が特定防火対象物に変わった場合など)
  • 一部の消防用設備。(消火器、自火報、避難器具など)
  • 改正前から適合していない。
  • 改正後に改修した場合。(床面積1000m2以上、または延べ面積の1/2以上を増改築した場合)

消防設備等の設置に関する届出

消防設備等の設置工事の届出

消防設備士(甲種)から消防長・消防署長へ届け出が必要である。
設置工事開始の10日前までに届け出る。
違反した場合、30万円以下の罰金となる。

消防設備等の設置の届出

防火対象物の関係者(所有者、管理者、占有者)から消防長・消防署長へ届け出が必要である。
設置完了から4日以内に届け出る。
簡易消火器具、非常警報器具の設置は届出・点検は必要ない。
届出が必要な施設は以下のとおり。

  • 要介護福祉施設等。
  • 特定防火対象物で、延べ面積300m2以上。
  • 非特定防火対象物で、延べ面積300m2以上で、消防長・消防署長の指定があるもの。
  • 特定一階段等防火対象物。(階段が屋内に1つしかない施設)

消防用設備等の設置・維持命令

消防設備が適切に設置・維持されていない場合は、消防長・消防署長から権原を有する関係者に対して、設置・維持するための措置を命じることができる。
消防用設備等の設置及び維持に関する法律について、風土の特殊性に応じて、市町村条例で消防法に加えて規定を設けることができる。
技術上の基準に関する政令を強化することができる。(防火対象物を追加するものではない)

消防用機械器具の検定制度

消防用機械器具は、検定に合格し、検定合格ラベルが無いと販売、工事できない。
(輸入品は検定が必要だが、輸出品は必要ない)
形式承認は、形状を書類で、総務大臣が承認する。
個別検定は、個々の形状が承認された内容と一致しているか日本消防検定協会が検定する。
検定に合格した物は検定合格ラベルを表示できる。
規格の改正で承認が失われたものは、再度検定が必要となる。
検定対象器具は、消火器、感知器など14品目ある。

消防設備の保守

法定点検の内容

法定定期点検(消防法)の内容は、作動点検外観点検機能点検総合点検である。
作動点検では、設備を実際に動かして機能が正常かを確認する。
外観点検では、外観などから設備の損傷設置位置を確認する。
上記の点検を、機能点検、総合点検として以下の頻度で実施し、点検結果を報告する義務がある。

  • 機器点検:機器の外観と簡単な操作で行う点検。6カ月に1回。
  • 総合点検:実際に作動させて行う点検で機器点検も含まれる。1年に1回。

消防用設備等に附置される動力消防ポンプ、自家発電設備についても、6カ月に1回の機器点検が必要である。
関係者は、点検結果を維持台帳に記録し、特定防火対象物は1年ごと、非特定防火対象物は3年ごとに消防長又は消防署に報告する。

点検者

消防設備士又は消防設備点検資格者の点検が必要な施設は以下のとおり。

  • 特定防火対象物で、延べ面積1000m2以上。
  • 非特定防火対象物で、延べ面積1000m2以上で、消防長・消防署長の指定があるもの。
  • 特定一階段等防火対象物。(階段が屋内に1つしかない施設)

上記以外の防火対象物は関係者が点検を行う。
防火設備定期検査制度(建築基準法)により、特定行政庁が定める特定建築物の防火設備(防火扉や防火シャッターなど)は、一級建築士、二級建築士又は防火設備検査員が、1年に1回作動状況などを確認する。
防火管理者は日常の点検項目として、消防用設備の異常信号などについて確認し、異常が認められたら直ちに修理し、機能回復を図る。


Ver.1.1.1

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