感知器

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感知器の種類

感知器には、監視する対象によって熱(温度)、煙(濃度)、炎(光・距離)の種類があり、感度の良いものから特殊、1種、2種、3種がある。
感知器が火災信号を発信したことを表示する作動表示装置(通常はランプ点灯)が設けられている。

熱感知器

火災により生ずる熱が天井面から蓄熱されることを利用し、自動的に火災を感知するもの。
防水型や防爆型などの種類がある。

熱感知器の感知方式

差動式

周囲の温度が、定められた上昇率以上となったとき作動する。

定温式

周囲の温度が、定められた温度以上となったとき作動する。
通常室温より20℃以上高い温度を設定する。
感知温度の範囲は、60℃~80℃で5℃刻み、80℃~150℃で10℃刻みである。

補償式・複合式

差動式と定温式の2つの機能を有する。
補償式は、1個の火災信号が発報される。
複合式は、複数の火災信号が発報される。

アナログ式

周囲の温度が一定の温度範囲内になった場合に、温度を火災情報信号として知らせる。
公称感知温度範囲は、下限値(注意信号)が10℃~上限値-10℃、上限値(火災信号)が60℃~165℃で、1℃刻みである。

熱感知器の感知範囲

スポット型

一局所の熱の変化を感知する。

分布型

広範囲の熱の変化を感知する。

熱感知器の動作方式

ダイヤフラム(差動式スポット型)

空気室の空気の膨張でダイヤフラムを押し上げて、接点が閉じ発報する。
ゆるやかな膨張はリーク孔から抜ける。

サーミスタ(差動式・定温式スポット型)

温度検知素子(サーミスタ)で温度上昇を検出して発報する。

バイメタル(定温式スポット型)

温度が一定以上でバイメタルが反転して、接点が閉じ発報する。

金属の膨張(定温式スポット型)

膨張係数の異なる2金属(外側が高く内側が低い)で接点が接触すると発報する。

感知線(定温式スポット型)

熱で絶縁被覆が溶けて、ピアノ線が接触して発報する。
繰り返しの使用はできない。

空気管(差動式分布型)

天井に巡らせた空気管の管内の膨張を感知して発報する。
空気管は、1本が20m以上で、肉厚0.3mm以上、外径1.94mm以上で均一であること。
リーク抵抗とは、リーク孔から漏れる空気の抵抗で、抵抗が大きいと空気が逃げにくくなるので作動時間が短くなる。
接点水高とは、接点が閉じるまでの間隔で、接点水高が高いと接点の距離が長いので作動時間は長くなる。
コックスタンドの試験コックを回すと配管が切り替わり、試験孔にマノメーターやテストポンプを設置する構造になっている。
ここで、リーク抵抗と接点水高を試験する。

熱電対(差動式分布型)

天井に分布した熱電対の起電力(ゼーベック効果)を感知して発報する。

熱半導体(差動式分布型)

天井に分布した熱半導体の起電力を感知して発報する。

熱感知器の感度

加熱試験器で作動試験を行う。

  • 差動式:特種(ー)、1種(20℃上昇で30秒以内)、2種(30℃上昇で30秒以内)
  • 定温式:特種(40秒以内)、1種(60秒以内)、2種(120秒以内)

性能は高いほうから、差ス1>差ス2>定ス特>定ス1>定ス2 の順番である。

定温スポット型
差動スポット型
サーミスタ式

煙感知器

火災により生する煙が、一定濃度以上に至ったときに火災信号を発する。
火災初期に発生する煙を感知するので、早期感知に適している。
煙が拡散してしまう大空間での感知には適さない。
1mm以下の網などで、虫の侵入を防止している。

煙感知器の感知方式

アナログ式

周囲の空気が一定の濃度範囲内になった場合に、その量を火災情報信号として知らせる。
公称感知濃度範囲は、下限値(注意信号)が1.2%~上限値-7.5%、上限値(火災信号)が15%~25%で、0.1%刻みである。

蓄積型

周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むことが一定時間(5~60秒)継続した場合に、火災信号を発報する。
一時的な煙での非火災報を防止できる。
感知器側で蓄積機能を持つため、受信機は非蓄積式にすること。

煙感知器の動作方式

イオン化式

煙がイオン室に流入した時のイオン電流の変化(煙が入ると結合し、電流が減少する)を検知し作動する。
イオン室に放射性物質アメリシウムが入っているため、銘板に放射線マークがあり、廃棄は製造会社委託となる。

光電式

煙による光電素子の受光量の変化により作動する。
分離型は、送光部と受光部が5~100m離れている。

複合式

イオン式と光電式の2つの機能を有する。
複数の火災信号が発報される。

煙感知器の感度

加煙試験器にて作動試験を行う。
1種(減光率5%で30秒以内)、2種(減光率10%で30秒以内)、3種(減光率15%で30秒以内)

光電式スポット型

炎感知器

火災による炎から紫外線や赤外線が放射されることを利用し、火災を感知する。
高天井や煙が拡散する大空間での感知に適している。
スポット型のみである。
照度5000ルクスを5分間照射しても、信号発信しないこと。
公称監視距離は、天井設置のもので視野角5°ごとに、20m未満は1m刻み、20m以上は5m刻みとする。
道路型(壁設置)は、最大視野角は180°以上とする。

炎感知器の動作方式

紫外線式

炎の紫外線を感知して、受光量の変化が一定以上になると作動する。

赤外線式

炎の赤外線を感知して、受光量の変化が一定以上になると作動する。

併用式

紫外線と赤外線の2つの機能を有する。
1個の火災信号が発報される。

複合式

紫外線式と赤外線式の2つの機能を有する。
複合式は、複数の火災信号が発報される。

  炎感知器

ガス漏れ検知器

ガス漏れ検知器の検知方式

即時警報型

設定濃度に達した直後に発報する。

警報遅延型

設定濃度に達した後、20~60秒継続した場合に発報する。

反限時警報型

警報遅延型と同様の動作だが、濃度が高いほど発報までの時間が短くなる。

ガス漏れ検知器の動作方式

半導体式

半導体の表面にガスが付着すると、抵抗が減少し電流が増加することで検知する。
ヒーターのある構造で、出力は曲線特性を示す。

接触燃焼式

白金線の表面にガスが接触して酸化反応を起こし、抵抗が増加することで検知する。
出力は比例直線特性を示す。

気体熱伝導度式

白金線の表面にガスが接触して、ガスと空気の熱伝導度の違いから温度変化を検知する。
半導体(サーミスタ)を用いる構造である。

ガス検知器の規定

爆発濃度1/4以上で確実に動作し、1/200以下で動作しないこと。
警報装置を有するものは、通電表示灯と作動確認灯をつけること。
ガスの濃度を検知してから信号を発するまで60秒以内であること。
警報機能が付いている場合は、1mで70dB以上で警報音を出すこと。

 ガス漏れ検知器


Ver.1.2.0

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