その他の火災報知設備

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漏電火災報知器

電気配線や電気器具の漏電を探知し、火災に至る前に警報を発信する。
ラスモルタル(鉄鋼モルタル塗り)の建物は、漏電で壁下地の鉄鋼が発熱して火災が発生する場合があるため、契約電流の大きさにより設置が義務付けられている。

ガス漏れ警報設備

ガス漏れを検知し発報する。
ガス漏れ火災警報設備には、受信機、検知器、警報装置、中継器がある。
地下街、劇場、デパートなどで設置が義務付けられている。

ガス漏れ警報設備の受信器

G型に級は無い。GP型は火災報知受信機と兼用のため、1級~3級がある。

構成

ガス漏れ受信機特有の構成として、ガス漏れ灯(黄色)、故障表示灯(中継器の電源系異常で点灯する)がある。
2回線から同時にガス漏れ信号を受信しても正常に表示でき、信号受信から表示までは60秒以内であること。
5回線を作動させることができる負荷、または監視状態にあるとき、いずれか大きい方の負荷に連続で耐える容量を有すること。
ガス漏れ表示は、自動で復旧する。(復旧スイッチは無い)

電源

G型の予備電源は、2回線を1分間作動させ、同時に他の回線を1分間監視できる容量とする。
G型の非常電源は、2回線を10分間作動させ、同時に他の回線を10分間監視できる容量とする。

試験

試験機能は、ガス漏れ表示試験と導通試験(5回線以下は省略可能)がある。

ガス漏れ警報設備の警報装置

音声警報装置

建物全体に警報を出す装置。
水平距離で25m以下の間隔に設置する。

検知区域警報装置

検知区域に警報を出す装置。
警報機能つき検知器を設置した場合や、人のいない所には設置しなくてもよい。
音圧は1mで70dB以上とする。

ガス漏れ表示灯

建物内の関係者に、ガス漏れの発生した部屋を個別に表示する装置。
2つ以上の部屋で1警戒区域を共有する場合に、部屋の通路の出入り口付近に設置する。
3mの地点から確認できなければならない。
1つの部屋が1警戒区域の場合は省略できる。

火災通報設備

火災が発生した場合、専用の電話回線で速やかに消防機関に自動通報する設備。
基本的に119番通報できれば設置義務は無いが、旅館・ホテル・病院・福祉施設(500m2以上)、要介護施設では設置が義務付けられている。
火災通報装置は、手動起動装置(押しボタン)、蓄積音声情報、通話機能、予備電源で構成される。
消防機関から歩行距離500m以下、著しく離れた場所にある場合は必要ない。

非常放送設備

火災発生時の避難誘導や情報通知に使用する館内放送設備。
一つのスピーカーや配線が断線しても、他の階への通報に支障が無いよう、階別配線が必要である。
共同住宅、ホテル、病院などは、同一階の中で断線しても通報できよう複数回線化が必要である。
10分間以上作動できる予備電源の設置が義務付けられている。

非常放送と業務放送

非常放送設備は火災時の非常放送と通常の業務放送を兼用するものもある。
この場合、放送用のスピーカーにはアッテネーター(音量を調整する装置)が設置されている。火災時の非常放送では、ボリュームが0に設定されている場合でも確実に放送が聞こえなければならない。また、業務放送中であっても非常放送が優先されなければならない。
非常放送と業務放送兼用の設備では、業務放送用と非常放送用の線を別にした3線式によってアッテネーターを無効化できるようにしている。
2線式の場合は業務放送を行う電源を非常放送信号によって強制的に停止するリレー(カットリレー)を使用して対応する。


Ver.1.1.1

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