感知器の設置基準
設置場所と感知器の種類
感知器の不要な場所
- 高さが20m以上。(炎感知器は設置可能)
- 外部の気流で火災を感知できない所。(立体駐車場など)(炎感知器は設置可能)
- 天井裏。(耐火構造、0.5m未満)
- 便所、浴室。
煙感知器が必要な場所
- 階段・傾斜路。
- 特定防火対象物、共同住宅、事務所ビルなどの廊下・通路。(小学校・図書館は必要ない)
- たて穴区画。
- 特定防火対象物の地階・無窓階・11階以上。
- カラオケボックスなどの個室。
- 天井の高さが15m以上20m未満。
設置場所と感知器の選択
じんあい(ごみ集積所)・微粉、煙、火炎、ガス、高温、蒸気のある場所に煙感知器は設置できない。(喫煙による煙は対象外)
排気ガス以外の場所には定温式スポット型感知器を設置する。
排気ガスは、差動式スポット型感知器を設置する。
厨房には、差動式スポット型感知器は設置できない。
炎感知器を設置できるのは、じんあいと排ガスだけである。
感知器の範囲
感知区域
感知器が警戒できる区域の条件。
- 熱感知器:壁または天井からの梁が0.4m以上で区切られた区域。
- 煙感知器:壁または天井からの梁が0.6m以上で区切られた区域。
高さの上限と取り付け可能な感知器
- 4m未満:定温式スポット2種、煙スポット3種
- 8m未満:定温式スポット特種・1種、差動式スポット1種・2種
- 15m未満:差動式分布型、煙スポット2種
- 20m未満:煙スポット1種
- 20m以上:炎
熱感知器の設置
熱感知器(スポット型)
- 取付高さ:取付け面の下方0.3m以内。
- 取付位置:空気吹出し口から1.5m以上離す。
- 傾斜:45度以上傾斜させない。
- 周囲温度:20℃以上低いこと。
- 感知面積:は以下の通り
熱感知器(空気管差動式)
- 取付位置:取付け面の下方0.3m以内、取付け面の各辺から1.5m以内。
- 空気管の相互間隔:6m以下。(耐火構造で9m以下)
- 傾斜:5度以上傾斜させない。
- 空気管:ステップルの間隔は、直線35cm以内、屈曲部は5cm以内、曲げ半径5mm以上、管の接続は接続管(スリーブ)を使用する。感知器の露出が20m以上。(二重やコイル巻きにしてもよい)、1つの検出器の空気管の長さは100m以下。
- 傾斜:10/3以上の天井では、頂部が「密」、下部が「相」となるようにする。
熱感知器(熱電対差動式)
- 取付位置:取付け面の高さに区分は無い。
- 取り付け:感知区域で4個。
床面積72m2(耐火88m2)を超えると、18m2(耐火22m2)毎に1個。
1検出部に20個以下。
煙感知器の設置
煙感知器(光電式スポット型)
- 取付高さ:取付け面の下方0.6m以内、壁から0.6m以上。
- 空気吹出し口から1.5m以上離す。吸気口付近につける。
- 傾斜:45度以上傾斜させない。
- 取り付け:天井が低い(2.3m未満)、狭い部屋(40m2未満)は、入口付近につける。
廊下は、歩行距離30mに1個以上。(1個の半径は15m)(3種は20m)
但し、歩行距離10m以下の廊下(階段や壁まで10mでいける範囲)では必要ない。
階段は、垂直距離15mに一個以上。(3種は10m)
たて穴区画は、最上部に1個以上。 - 感知面積:以下の通り。
煙感知器(光電式分離型)
- 取付位置:光軸と平行の壁から0.6m以上、送光部・受光部の背部の壁から1m以内。
光軸の間隔14m以下。(1個の半径は7m)
天井の高さが20m未満で、光軸の高さは80%以上の位置。 - 傾斜:90度以上傾斜させない。
天井の高さが15m~20mの場合は、1種を使用する。
公称監視距離は5m~100m。(5m刻み)
受光部が日光を受けないこと。
炎感知器の設置
炎感知器
- 取付位置:天井または壁。(道路用の場合は、道路から1.0m以上1.5m以下の位置)
- 傾斜:90度以上傾斜させない。
- 距離:道路用以外は、床面から1.2m上までの空間が公称監視距離に入ること。
日光を受けないこと。(遮光板をもうける)
感知器の点検
熱感知器の点検
熱感知器(スポット型)
作動試験は、加熱試験器(白金カイロの火口を入れたお椀)をかぶせて試験する。
接点やリーク孔などの内部部品の交換・変更は現場では行わない。感知器ごと交換する。
- 差動式:1種:20℃上昇30秒以内、2種:30℃上昇30秒以内。
- 定温式:特種:40秒以内、1種:60秒以内、2種:120秒以内。
熱感知器(空気管差動式)
作動試験は、試験コックを試験に合わせて、試験孔にテストポンプをゴム管で接続し、空気を注入して圧力を加えて、接点が閉じることを確認する。
作動継続試験は、作動試験後にリーク孔から空気が抜けて、接点が開くまでの時間を計測する。
流通試験は、空気管の正常性及び長さのテストで、空気管の端にマノメーターを接続し、水を入れて、テストポンプで空気を注入して、100mmで水位をみる。グラフの上限と下限の間であることを確認する。(接点間隔を調整するものではない)
接点水高試験は、マノメーターとテストポンプで接点の間隔を試験する。(リーク抵抗の試験ではない)
空気管式の作動時間が長くなる原因は、空気管の漏れ・詰まりや、リーク抵抗が小さい、接点水高が高いなどがある。
空気の送気量が多いと、作動時間は短くなる。
熱感知器(熱電対差動式)
作動試験は、メーターリレー試験器を使用して、電圧を測定する。
回路合成抵抗試験は、メーターリレーを使用する。
熱感知器(定温式感知線型)
作動試験は、感知線の合成抵抗を測定する。
煙感知器の点検
煙感知器(スポット型)
作動試験は、加煙試験器(発煙剤を入れたお椀)をかぶせて試験する。
1種:減光率5%30秒以内、2種:減光率10%30秒以内、3種:減光率15%30秒以内。
感度試験は、煙感知器感度試験器を使用する。
煙感知器(光電式分離型)
作動試験は、減光フィルターで減光して試験する。
ガス検知器の設置基準と点検
ガス検知器の設置基準
貫通部に設ける検知器の警戒区域は、他の警戒区域と区別して表示できるようにする。
吹出し口がある場合は、1.5m以上離す。吸気口がある場合は、吸気口の近くに設置する。
受信機の設置基準は、火災用受信機と同じである。
設置基準は、空気より軽い(都市ガス)ものと、空気より重い(プロパン)もので異なる。(両方に対応できる全ガス用検知器もある)
- 取付高さ:天井(都市ガス)または床面(プロパン)から0.3m以内。(はりは、0.6以上とする)
- 水平距離:燃焼器または貫通部の中心から8m以内(都市ガス)、4m以内(プロパン)
ガス検知器の点検
検知器の点検は、加ガス試験器を使用する。
- 検知器の作動確認灯→受信機のガス漏れ灯:60秒以内。(中継器がある場合は65秒以内)
- 中継器の確認灯→検知区域警報装置:60秒以内。(中継器がある場合は65秒以内)
- その他→受信機のガス漏れ灯:80秒以内。(中継器がある場合は85秒以内)
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