同期機

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同期機の構造

大出力用の電動機、発電機で使用するのが一般的である。
利点は、力率が良い。
欠点は、構造が複雑である。高価である。
交流発電機には、回転界磁形と回転電機子形があるが、回転界磁形は電機子が固定子側なので、絶縁が容易で電機子巻線から大きな電流が取り出せるため、一般的には回転界磁形が多く用いられている。

固定子

電機子。(回転界磁形)
発電機では交流電流を取り出す。電動機では回転子を回転させる磁界を作る。

回転子

界磁。(回転界磁形)
直流電源から励磁している。
突極型と円筒型(非突極型)がある。突極性とは、回転子と固定子の間の磁気抵抗(リラクタンス)が回転子の円周上の位置によって不均一なことをいう。
極数が多く回転速度が遅い場合(水力発電)は突極型、極数が少なく回転速度が速い場合(汽力発電)は円筒型を使用している。

突極型回転子
円筒型回転子

スリップリング

回転子の巻線についている電流の接続点。(回転子と一緒に回転している)

ブラシ

固定子側に設置され、スリップリングと接触して直流電流を供給する。

電機子の巻線方法

電機子巻線の巻き方には、固定子のスロットの使い方で集中巻と分布巻、間隔の取り方で全節巻と短節巻がある。

  • 集中巻:各相の巻線を1つのスロットに巻いたもの。大きな誘導起電力が得られる。
  • 分布巻:各相の巻線をいくつかのスロットに分散して巻いたもの。誘導起電力は小さくなるが、波形を正弦波に近づけることができる。
  • 全節巻:コイルピッチ(1つのコイルをスロットにはめる間隔)が磁極ピッチ(同じ磁極の間隔)に等しいもの。大きな誘導起電力が得られる。
  • 短節巻:コイルピッチ(1つのコイルをスロットにはめる間隔)が磁極ピッチ(同じ磁極の間隔)よりも短いもの。誘導起電力は小さくなるが、波形を正弦波に近づけることができる。

同期機の特徴

同期電動機は回転磁界と同じ速度で回転子が回転する。
極数と交流周波数から決まる一定の速度(同期速度、定格速度)で運転できる。
負荷がかかると回転子の位相は負荷角δ分遅れ、トルクが発生するが、回転速度は変わらない。負荷角δが増えるとトルクは増える。
同期機は、相対位置(負荷角δ)の関数でトルクが決まる。誘導機は相対速度(滑りs)の関数でトルクが決まる。
何らかの方法で同期速度まで回転させてから、励磁などで始動する。(始動トルクの確保が必要である)
界磁電流を調整することで力率を調整できるので、誘導電動機に比べて高い力率で運転できる。過励磁でコンデンサ、不足励磁でリアクトルで作用する。(同期機の位相曲線)
同期電動機は、回転子と固定子の空げき(隙間)を大きくできるので、回転子に強い衝撃が加わる鉄鋼圧延機などに用いられる。

同期機の励磁方式

同期機の回転子の界磁を作るための励磁方式。

静止形励磁方式(サイリスタ励磁)

発電機より交流を取り出し、変圧器とサイリスタによって励磁直流電流を作り、スリップリングで回転子に供給する。
サイリスタで電流を制御するので即応性が高い。即応性が高いと安定する。

直流励磁機方式

直流発電機を励磁機として使用する。
メンテナンスが大変であまり使われていない。

交流励磁機方式(ブラシレス励磁)

発電機の回転子に回転電機子形の励磁用交流発電機と整流子を組み込んで、ブラシを介せずに励磁直流電流を供給する。
ブラシレス同期発電機で使用されている。

同期電動機の始動方法

始動のとき、回転子を同期速度付近まで回転させる必要がある。

自己始動法

固定子巻線に三相交流電圧を印加すると回転磁界が生じる。しかし、励磁された回転子が受けるトルクは、同じ大きさで向きが交互に変わるので、トルクは0になり電動機は起動しない。
そこで、回転子の磁極面に制動巻線を施すと、誘導電動機のかご形回転子と同じ構造になる。この制動巻線に固定子の回転磁界で誘導起電力を生じさせて始動トルクを得る。従って制動巻線を始動巻線とも呼ぶ。
固定子巻線に全電圧を加えると始動電流が大きくなるので、始動補償器などで電圧を下げて始動する。起動時は回転磁束によって誘導される高電圧によって絶縁が破壊するおそれがあるので、界磁巻線を抵抗で短絡して起動する。回転子の回転速度が同期速度近くになったときに、界磁巻線の短絡を切り離し、直流電源で励磁すると回転子は同期速度に引き込まれて、以後は同期速度で回転を続ける。
始動トルクは小さいので、小容量の電動機で使用する。

始動電動機法

始動用の電動機を用いて、これに直結した同期電動機を無負荷回転させ、回転子が同期速度付近になったときに同期電動機の界磁巻線を励磁して電動機側を遮断する。
大容量の電動機で使用する。

同期機の電機子反作用

電機子巻線(固定子)に三相交流が流れると回転磁界が生じる。回転子の磁極と、固定子の回転磁界の位置関係から、回転子の界磁磁束(主磁束)に影響を与える。これを電機子反作用といい、電機子電流と誘導起電力の位相差によって作用が異なる。
同期発電機の場合は以下の反作用となる。

  • 位相差0(力率1の電機子電流):磁界は互いに交差するのでほぼ変わらない。回転方向と同じ磁極頭で界磁を弱め、反対側で界磁を強めるので、交さ磁化作用・横軸反作用と呼ばれる。
  • 遅れ電流(遅相電機子電流):電機子巻線の磁力は回転子の界磁磁束を弱める減磁作用となる。直軸反作用と呼ばれる。
  • 進み電流(進相電機子電流):電機子巻線の磁力は回転子の界磁磁束を強める増磁作用となる。直軸反作用と呼ばれる。

同期電動機の場合、電機子電流の方向が逆になるため、発電機の逆になり、遅れ電流では増磁作用となり、進み電流では減磁作用となる。

発電機電動機
力率1交さ磁化作用交さ磁化作用
遅れ力率減磁作用増磁作用
進み力率増磁作用減磁作用
     同期機の電機子反作用
  位相差0の場合

回転子(図の下側)のN極、S極の界磁方向と固定子(図の上側)の右ねじの法則の電機子の磁束方向より、同方向なら増磁、逆方向なら減磁となる。
図の位相差0場合、回転方向と同じ磁極頭では磁束は逆方向で界磁を弱め、反対側では磁束は同方向で界磁を強めている。
回転子(図の下側)が回転方向に1/4ずれている場合、力率角はπ/2遅れている。逆方向に1/4ずれている場合、力率角はπ/2進んでいる。
電機子反作用は、等価回路上では直列接続された電機子反作用リアクタンスとして表される。

同期発電機の外部特性曲線

発電機の特性を示す。
負荷電流Iを変化させたときの端子電圧Vの関係を示す。
定格回転速度で運転し、界磁電流を一定に保って、負荷力率を一定にした状態である。
この曲線は、負荷力率によって形が変わる。
交点は定格電圧と定格電流である。

同期発電機の短絡比

定格電流に対する短絡電流の比で、同期発電機の安定度を示す。(短絡比が大きいほど安定度は高い)

$\displaystyle K_s=\frac{I_s}{I_n} $

$K_s$:短絡比
$I_s$:短絡電流 [$A$]
$I_n$:定格電流 [$A$]

短絡比Ks=三相短絡電流Is/定格電流In
=無負荷飽和曲線におけるVnの交点Ifs/三相短絡曲線のInの交点Ifn
=無負荷の時に定格電圧を発生させるのに必要な界磁電流/三相短絡時に定格電流を発生させるのに必要な界磁電流

無負荷飽和曲線

発電機を無負荷・定格回転速度で運転したときの、界磁電流Ifと端子電圧Vの関係を示す。
界磁電流を0から徐々に増加させると、端子電圧は最初はほぼ比例して増加するが、やがて飽和する。

三相短絡曲線

発電機を三相短絡・定格回転速度で運転したときの、界磁電流Ifと短絡電流I(電機子電流)の関係を示す。
界磁電流と短絡電流は、直線的に比例増加する。(界磁電流と短絡電流は比例式より求まる)

短絡比とパーセントインピーダンス

短絡比とパーセントインピーダンスは反比例の関係にある。
短絡比が小さいと、同期インピーダンスは大きい。

$\displaystyle %Z=\frac{I_n}{I_s}×100 \ [%] $

$%Z$:パーセントインピーダンス
$I_n$:定格電流 [$A$]
$I_s$:短絡電流 [$A$]

同期電動機の位相曲線

電機子電流Iaを縦軸、界磁電流Ifを横軸にとって、電圧一定の電源接続時の関係を示したもの。V字形の曲線の為、V曲線ともいう。
V曲線の最低点は力率1の点で、電機子電流は最小となる。右側が進み力率、左側が遅れ力率となる。
界磁電流を増加させると力率(無効電力)は進み側に増大する。
負荷が大きくなると曲線は上へ移動する。
同期調相機は無負荷運転の同期電動機で、この電機子反作用を利用して力率調整を行っている。

同期発電機の等価回路

三相同期発電機をY結線として一相等価回路を作成する。
(線電流=相電流、線電圧(発電機の端子電圧、定格電圧)=√3相電圧)
ベクトル図は以下のようになる。

E:誘導起電力(1相分) [V]
V:端子電圧(1相分) [V]
xs:同期リアクタンス [Ω]
ra:電機子抵抗 [Ω](省略される場合もある)
I:電機子電流 [A]
θ:力率角
δ:EとVの位相差(負荷角)

同期機の出力

同期リアクタンスxsに対して電機子抵抗raが小さく無視できる場合、ベクトル図は以下のようになる。

$\displaystyle E^2=(IXcosθ)^2+(V+IXsinθ)^2 $

上記ベクトル図より、三相出力Pを求める。
誘導起電力と端子電圧の負荷角δのとき、ベクトル図より、Esinδ=IXcosθ
1相分の有効電力 P=VIcosθ に上記を代入し、三相で3倍すると三相出力Pは以下となる。

$\displaystyle P=3\left(\frac{EV}{X}\right)sinδ \ [W] $

$P$:三相出力 [$W$]
$E$:誘導起電力 [$V$]
$V$:端子電圧 [$V$]
$X$:リアクタンス [$Ω$]
$δ$:EとVの位相差(負荷角)

同期インピーダンス

同期インピーダンスZとは、同期機のインピーダンスで、以下の電機子巻線の内部インピーダンスのことである。
電機子巻線抵抗ra+(電機子反作用リアクタンス+漏れリアクタンス)xs

$\displaystyle \dot{Z}=r_a+jx_s \ [Ω] (Z=\sqrt{{r_a}^2+{x_s}^2}) $

同期インピーダンスは、ほとんどが同期リアクタンスxsであり、電機子巻線抵抗raは通常無視される。
同期インピーダンスは、三相短絡の等価回路より、定格速度、無負荷運転時の短絡電流Is、誘導起電力Eより求まる。

$\displaystyle I_s=\frac{E}{Z}=\frac{\displaystyle\frac{V}{\sqrt{3}}}{Z} $

$I_s$:短絡電流 [$A$]
$E$:1相の誘導起電力 [$V$]
$Z$:同期インピーダンス [$Ω$]
$V$:線電圧 [$V$]

同期インピーダンスとその特徴

  • 同期インピーダンスが大きい:短絡比は小さい。
    電機子巻線(銅損)が大きく、鉄心(鉄損)が小さいので、発電機の外形寸法は小さくなる。
    銅機械なので効率は良い。
    誘導起電力Eから同期インピーダンス分の電圧降下が起こるので、端子電圧は小さくなる。よって電圧変動率が大きくなり、安定度が低い。
  • 同期インピーダンスが小さい:短絡比は大きい。
    電機子巻線(銅損)が小さく、鉄心(鉄損)が大きいので、発電機の外形寸法は大きくなる。
    鉄機械なので鉄損と機械損が増加し、効率は悪い。
    同期インピーダンス分の電圧降下が小さく、その分線路充電容量(許容できる進み電流)が大きくなる。電圧変動率が小さく、安定度が高い。

内部相差角(負荷角)δ

端子電圧Vと誘導起電力Eの位相差。
回転子の磁極位置(界磁磁束)と、固定子の回転磁界の位置(電機子磁束)の角度差でもある。
無負荷運転では、内部相差角(負荷角)はほぼ0°である。従って、電機子抵抗が無視できる場合、無負荷時の端子電圧Vは誘導起電力Eと同じである。
負荷を大きくすると回転子(界磁)の磁束が固定子(電機子)の磁束よりも遅れて内部相差角(負荷角)も増え、90°で最大トルクとなる。この間に吸引力が生じ、これが回転磁束と同方向の電動機トルクを作り、回転子はを内部相差角(負荷角)を維持したまま同期速度で回転を続ける。
同期機の負荷が急変すると、内部相差角(負荷角)が変化し、回転速度が同期速度を中心に周期的に変動する乱調を起こす。乱調を抑制するには、始動巻線も兼ねる制動巻線を設けたり、はずみ車を取り付けたりする。
電動機の負荷トルクが最大トルクを超えたり、発電機の回転数と送電線の周波数の差が大きくなると、回転速度が同期速度から外れて継続的な運転ができなくなる脱調(ストール)を起こして停止する。
同期運転が可能な最大トルクを脱出トルクという。
低励磁(遅れ)運転をすると、発電機の内部誘導起電力が減少するため、内部相差角(負荷角)が大きくなり不安定になる。

同期機のベクトル図

同期電動機のベクトル図

同期電動機の場合は、誘導起電力Eを基準として作成する。
位相差θは端子電圧Vと電機子電流Iの差であることに注意する。
同期機では、界磁電流によって電機子電流の位相が変化する(V曲線)ため、端子電圧Vと誘導起電力Eの関係はその力率によって変化する。
同期電動機の場合、遅れ力率では端子電圧V>誘導起電力Eとなるが、力率1や進み力率では端子電圧V<誘導起電力Eとなる。

力率1のときのベクトル図

力率1(cosθ=1)でθ=0となり、端子電圧Vと負荷電流Iは同方向となる。
端子電圧V、誘導起電力E、同期リアクタンス降下Ixsは負荷角δの直角三角形となる。
発電機も電動機も同じベクトル図となる。
接続される負荷が抵抗のみの場合も力率1となる。

        発電機(V基準)
         電動機(E基準)

同期発電機の負荷接続時の一相等価回路

誘導起電力E、同期リアクタンスxsの同期発電機に、負荷インピーダンスZ’=R+jXLを接続した時の一相等価回路。
※E(誘導起電力)、V(端子電圧)は相電圧なので、実際の出力端子の三相の電圧は√3倍の値となる。
 無負荷の場合、負荷の回路は開放状態で、I=0なのでE(誘導起電力)=V(端子電圧)である。
 電機子巻線抵抗は同期リアクタンスxsに対して小さい為省略している。

$\displaystyle Z=\frac{E}{I} Z=R+j(x_s+X_L) |\dot{Z}|=\sqrt{R^2+(x_s+X_L)^2} $

$\displaystyle Z’=\frac{V}{I} Z’=R+jX_L |\dot{Z’}|=\sqrt{R^2+{X_L}^2} $

同期発電機の並行運転

発電機間に無効循環電流(横流)が流れないようにすることが条件である。
並行運転には以下の条件を満たす必要がある。

  • 電圧の大きさが等しい。
  • 電圧の波形がほぼ等しい。
  • 電圧の位相が等しい。(位相が180°ずれている時、最大の電位差となり、最大の電流が流れる)
  • 周波数が等しい。
  • 相回転が等しい。(三相交流のそれぞれの線の位相遅れの順番をあらかじめ合わせておく)

上記の条件を満たす為、電圧調整装置(励磁電流を変えて起電力電圧を調整する)及び、調速装置(回転速度を変えて波形・位相・周波数を合わせる)を使って調整し、同期検定器で位相の一致を検出して投入する。

同期発電機の自己励磁現象

発電機が無励磁で運転している状態で容量性負荷が接続されると、残留磁気によって発生した起電力により進相電流が流れ、電機子反作用の増磁作用が起こり起電力が増大し、さらに進相電流が増加するということを繰り返して発電機の端子電圧が上昇していくことがある。これを自己励磁現象と言う。
長距離の高電圧ケーブルなどによる線路充電容量が増加や、進相コンデンサの普及などで夜間などの低負荷時には容量性負荷となり、発電機側から系統側へ進相電流が流れ、自己励磁現象によって発電機の端子電圧が上昇する。
端子電圧の上昇値は、無負荷飽和曲線と容量負荷充電特性から決まる。この電圧が定格電圧より非常に高くなると絶縁破壊が起きる。

自己励磁現象の対策

  • 短絡比の大きい発電機を使用し、同期インピーダンスを小さくして電機子反作用を抑える。
  • 誘導性負荷を接続する。
  • 同期調相機で低励磁(遅れ)運転をする。

その他の同期電動機

ステッピングモータ

固定子の電磁石へのパルス直流電流を順次切り替えることで、それに同期して磁石の回転子が回転する同期電動機。
固定子に複数の電磁石があり、パルス電流を順番(4個の場合は1→2→3→4→1…)に供給すると、それに同期して磁石の吸引力と反発力で回転子が回転する。
パルス信号の発生回数で回転角度が決まり、周波数(1秒間のパルス回数)で回転速度が決まる。
パルス数で角度(ステップ角)が決まる為、正確な位置決めができる。また、永久磁石形では、無通電で回転子位置を保持できる。
静止時のトルクが最大で、低速回転でトルクが大きい。高速回転には適さない。
高精度な制御が要求される駆動系装置で使用される。

小型同期モータ(PMモータ)

回転子に永久磁石を使用した同期電動機。
永久磁石形同期電動機は、高効率・高力率・低騒音・省スペース・保守が容易で、省エネルギーな電動機として用途が広がっている。
固定子の回転磁界と、回転子の永久磁石の磁極の吸引・反発によるマグネットトルクで回転する。
いずれも始動トルクが無いので、インバータ駆動が一般的である。

  • SPMSM:回転子の表面に永久磁石を貼り付けたもの。
    マグネットトルクで回転する。
  • IPMSM:永久磁石を回転子に埋め込んだもの。
    マグネットトルクに加えて、回転子の鉄心に磁気抵抗の差を設けることで、磁気抵抗が最小となる方向に鉄心が動くことを利用したリラクタンストルクも使用する。
  • SynRM:回転子に永久磁石は使用せず、突起構造の鋼板鉄心によるリラクタンストルクのみを利用するリラクタンス同期モータ。
    永久磁石を使用せず鉄心だけなので、損失も少なく低コストである。

トルクの電流位相制御

マグネットトルクは、極対数×永久磁石の磁束(d軸)×電流(q軸)で表される。永久磁石の磁束方向をd軸、90°交差する方向をq軸とすると、トルクを出すにはq軸電流を流す必要がある。
マグネットトルクは位相0°で最大で90°で0になるのに対して、リラクタンストルクは0°で0で45°で最大となる。それぞれのトルクを合成すると0~45°でトルクが最大となる。
コイル電流を電圧対して進み位相にすることで、マグネットトルクは弱くなるがリラクタンストルクが強くなり、合成トルクを最大にすることができる。

弱め磁束制御

永久磁石を用いる電動機は、磁束が一定なので回転速度が上昇するとコイルの逆起電力も上昇する。逆起電力は回転に制動をかけるため、回転速度に限界が発生する。
そこで、永久磁石がつくる磁界とは逆向きの磁界ができるようにコイルに電流を流し、磁石の磁界を弱める制御を行って運転領域を拡大する。


Ver1.0.4

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