シーケンス回路

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シーケンス回路の構成要素

電磁開閉器

電磁開閉器」参照

接点・押しボタンスイッチ

メーク接点(a)

電源が入ると閉じる接点、スイッチ。

ブレーク接点(b)

電源が入ると開く接点、スイッチ。

限時動作瞬時復帰接点

時間が経過すると接点が動作し、コイルがOFFですぐに復帰する。

a接点
b接点

瞬時動作限時復帰接点

コイルがONですぐに接点が動作し、時間が経過すると復帰する。

a接点
b接点

鳴動部品

ブザー
ベル

タイマー

オンディレー(限時動作)

電源ONで、一定時間経過後に接点状態が変化する。途中で電源OFFされても元の状態に戻る。

オフディレー(限時復帰)

電源ONで接点状態が変化し、一定時間経過後に元の状態に戻る。途中で電源OFFされても時間内は変化しない。

長押し操作

決められた時間以上スイッチを押しっぱなしにしなければ操作が効かない。

フリッカー

ONとOFFを一定周期で繰返すこと。

           タイマーの例

リレー

有接点リレー:電圧が入力されるとコイルに吸引された鉄片が接点を開閉する。a接点(常時OFF→ON)、b接点(常時ON→OFF)がある。
無接点リレー(ソリッドステートリレー):信号入力されると光半導体(フォトカプラ)が別回路のトライアック素子を動作させて、電子回路で開閉を行う。
動作を決めるコイルの電圧と接点の電圧が異なる製品もある。(コイルが24Vで、接点が200Vなど)
例として、リレーのソケット番号との対応は以下のようになる。

リレー(2C)
2C用ソケット
4C用ソケット

コイル(⑬ー⑭)に電流が流れると、接点が開閉する。(直流の場合⑬がーで、⑭が+極性)
a接点(閉じる):⑨ー⑤、⑩ー⑥、⑪ー⑦、⑫ー⑧
b接点(開く):⑨ー①、⑩ー②、⑪ー③、⑫ー④

フロートレス液面リレー

電極に液体が接触すると、液体を通して電気が流れることを利用した液面レベルの検出器。
槽内部に電極棒を設置し、検出した水位によってポンプの発停や電磁弁の開閉をおこなう。

    高置水槽の例

シーケンス回路の基本

自己保持回路

押しボタンスイッチと電磁リレーを用いて、押しボタンを離してもオン状態が保持されるようにする回路。
スイッチAが押されると電磁リレーXが動作して、接点Xが接続される。この状態でスイッチAを放しても電磁リレーXはオンで保持される。
この状態でスイッチBが押されると、電磁リレーXには電流が流れなくなり、接点Xも開放されオフ状態となる。

インターロック

安全機構の考え方の一つで、ある一定の条件が整わないと他の動作が出来なくなる機構のこと。
両者が決して同時に働かないようにすること。
以下の回路では、スイッチAとスイッチBが同時にONすることができないように相互インターロックが組まれている。
スイッチAが押されると電磁リレーXが動作して、接点Xが開放される。この状態でスイッチBを押しても接点Xは開なので電磁リレーYは動作しない。
スイッチBが押されると電磁リレーYが動作して、接点Yが開放される。この状態でスイッチAを押しても接点Yは開なので電磁リレーXは動作しない。

タイムチャート

シーケンス回路や論理回路で、時間軸で各要素の状態をわかりやすく表したもの。
横軸に時間を取り、縦軸に各要素の状態を表す。

  自己保持回路のタイムチャート

PLC

PLC(Programmable Logic Controller)は、ハードウェアで行っていたシーケンス回路の制御をソフトウェアのプログラミングで行えるようにしたもの。
物理的な回路で行っていた制御をプログラミングで行うことで、柔軟な制御変更が可能で、中央監視制御システムとの連係によって遠隔からの発停制御および、機器の状態監視などが可能となる。
PLCのシーケンス回路を記述するプログラム言語をラダープログラムという。
制御盤のPLCのユニットが各機器の信号回路に接続されており、プログラミングされたシーケンス回路に従って操作を行う。機器のON/OFFや、状態・障害の信号監視、トランスデューサのアナログ信号(温湿度などの計装センサーのデータ)をデジタル化してデータを取得する。
複数のPLC間はネットワーク化され情報を共有しているが、その通信プロトコル(規格)はPLCメーカーによって分かれており、統一されていない。

PLC制御の構成機器

トランスデューサ(変換器)

電力(電圧、電流など)や計装センサー(温度、圧力など)の電気信号(交流または直流)を入力とし、それに比例した直流電圧または電流に変換して、PLCなどが扱える電気信号にする変換器。

アクチュエータ

PLCなどの電気信号の入力に従って、モーターなどの物理的な動作制御を行う装置。

アナログ入出力ユニット

PLCのユニットで、アナログ信号をデジタル信号にAーD変換、デジタル信号をアナログ信号にDーA変換するインタフェース装置。
トランスデューサなどで変換されたアナログ信号は、AーD変換されてPLCで処理される。
PLCのデジタル信号は、DーA変換されてアクチュエータなどで処理される。

入出力ユニット

PLCのユニットで、各機器に接続されON/OFFのリレー制御を行うインタフェース装置。
制御する機器によっては、直接制御せずにリレーを介しておこなう場合もある。

機械量センサ

機械量を電気量に変換するセンサで、非接触式と接触式がある。

非接触式

  • 静電容量形:被測定物とプロープ(センサを付けた針)の間の静電容量の変化で変位量を測定する。

接触式

  • ひずみゲージ式:被測定物に接着させたひずみゲージ金属の電気抵抗が、被測定物の伸縮により変化する現象を利用する。ホイートストンブリッジ回路を構成して電圧に変換する。圧抵抗効果(ピエゾ抵抗効果)
  • 圧電式:被測定物に接着させた圧電体に、被測定物のひずみにより誘起される電荷をチャージアンプで電圧に変換してひずみ量を測定する。圧電効果(ピエゾ効果)

中央監視設備

ビル内の設備機器の監視・制御、エネルギー管理を一括で行う設備。
中央監視室に設置されたPCの監視ソフトウェアが、各設備に接続されたPLCと連係することにより、ビル内の設備の発停や状態の監視、計測器からのデータを取得してエネルギー管理などを行う。

  • RS盤(リモートステーション):PLCと、各設備機器を制御する信号回路で構成されている。PCの監視ソフトウエアと各PLC間はネットワークで繋がれ情報を共有している。
  • CP盤(コントロールパネル):RS盤と設備機器の信号を伝達する中継盤。

Ver1.0.2

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