結露の原理
空気は温度によって含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が異なる。温度が低いほど水蒸気量は少なくなる。
従って、温度が下がっていくと、水蒸気量の限界を超え、ある温度(露点温度)から余剰の水蒸気が結露する。
室内の相対湿度が上昇し、露点温度に達すると水蒸気が飽和して結露となる。
室内においては、空気中の絶対湿度の空間的な分布(場所による違い)は比較的小さい。相対湿度の空間的な分布は比較的大きい。
そのため、局所的に温度が低い場所があると、その場所での飽和水蒸気圧(最大限含みうる水分量)が低下し、結果として結露が発生する。
結露の防止
結露の防止の対策としては、以下のようなものがある。
- 室内に露点温度以下の場所を作らず、室温を上げる。
- 過度の水蒸気を発生させない。
- 換気を行い、室内の絶対湿度を下げる。
- 熱と同様に、湿気も分布を均一させる方向に流動する。
表面結露
窓ガラスなどの室内に発生する結露。
窓のアルミサッシ、壁の出隅部分、外壁と内壁の間にある柱などの断熱材が切れている場所は、熱を伝えやすい熱橋(ヒートブリッジ)となり、表面結露しやすい。
表面結露の防止としては以下の点を考慮する。
- 家具の後ろや押入は発生しやすいので、風通しをよくする。
- 窓ガラスは、複層ガラスにすると、熱通過率が低くなるので効果がある。
- 窓サッシは、すきまが無いことがのぞましい。
- カーテンを用いると室内側表面温度が下がってしまうので、結露しやすい。
内部結露
壁の内部などの結露。
内部結露の防止として、断熱層の室内側(水蒸気圧の高い側)に、湿気伝導率の低い材料からなる除湿層を設けるの方法が一般的である。
断熱工法
断熱材は熱を通しにくい(熱伝導率が低い)ので、壁と壁の温度差は大きくなる。
断熱材の種類
- 発泡タイプ:ポリエチレン、ウレタンなど。
- 繊維タイプ:グラスウール、ロックウールなど。
断熱の工法
充填断熱工法
柱などの部材の間に断熱材を充填する。木造・鉄骨造で使用する。
部材間で断熱材が切れ、熱橋(ヒートブリッジ)部分ができてしまう。
外張り断熱工法
断熱材が切れないように壁に挟み込む。木造・鉄骨造で使用する。
内断熱工法
室内側に断熱材を施す。鉄骨コンクリート造で使用する。
外断熱工法
室外側を断熱材で覆う。鉄骨コンクリート造で使用する。
結露しにくく、室内温度が安定する。
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