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音の要素

音は、音響スペクトル(音圧や強弱を周波数の関数で示したもの)で表現する。
音の三要素は、大きさ高さ音色である。

音の大きさ

音の単位

  • デシベル[dB]:物理的な音の大きさ(音圧レベル)を表す。
  • ホン[phon]:人間の聴感は周波数が変わると同じ物理量でも同じ大きさの音として感じない為、音圧レベルのデシベル値を周波数ごとに補正した値を表す。

音の強さと音圧レベル

音の強さとは、音の進行方向に対して垂直な単位断面を単位時間に通過する音のエネルギーである。
音の強さは、音圧P[Pa]、音響エネルギーI [W/m2]で表すことができ、音響エネルギーIは音圧Pの2乗となる。
人間の感じる音の大きさは、対数に比例するため、人間の聴覚の周波数特性を考慮したA特性に基づき補正した音圧レベルL[dB]で表現している。(A特性音圧レベル)
音として聞こえる最小の音圧レベルを最小可聴値といい、不快感や痛みなどの他の感覚が生ずる閾値を最大可聴値という。

$\displaystyle L=20log\frac{P}{P_0}=10log\frac{P^2}{P_0^2}=10log\frac{I}{I_0} \ [dB] $

$L$:音圧レベル [$dB$]
$P$:音圧 [$Pa$]
$P_0$:基準音圧 [$Pa$]
$I$:音響エネルギー [$W/m^2$]
$I_0$:基準音響エネルギー [$W/m^2$]

基準音圧レベルは、人間の最小可聴値の音圧20μPaである。
20dBとは、基準音圧の10倍の音圧である。(20log(200/20)=20log10=20)

音の大きさの増え方

デシベル[dB]は、単純な加算ができない。
音源の台数が増えた場合の音の大きさは、10log(台数)となり、台数を2のベキ乗で表現すると、指数の値ごとに3dBずつ増えていく。
・2台:10log2=+3dB
・4台:10log(22)=10log4=+6dB
・8台:10log(23)=10log8=+9dB

異なるデシベル値の音源を合成する場合は、以下の概算で考える。
・デシベル値の差が10以上:大きい方のデシベル値に等しい。
・デシベル値の差が5~9:大きい方のデシベル値に+1dBする。
・デシベル値の差が1~4:大きい方のデシベル値に+2dBする。

距離による減衰量

  • 点音源:減衰量=20log(距離の倍率)、2倍の距離でー6dB、10倍でー20dB
  • 線音源:減衰量=10log(距離の倍率)、2倍の距離でー3dB、10倍でー10dB
  • 面音源:ある距離まではほぼ減衰しない。面から遠ざかると音源→音源→音源の特性となる。

音の高さ

音の周波数[Hz]。
1秒間の振動回数を周波数fという。周波数の逆数は、周期Tである。
1回振動している間に進む距離を波長λという。
周波数の数値が多くなれば高い音になり、少なくなれば低い音になる。

オクターブ幅

オクターブとは、例えばドの音から次の上のドの音との関係のように、周波数比が2倍となる音程を意味する。
ある周波数を中心にして上限と下限の周波数比が1オクターブとなる周波数の帯域(バンド)のことを、オクターブバンドという。

音色

音の周波数成分。
音の高さは基音(基本)となる音のことで、基音に倍音が加わって音色が生まれる。
倍音は基音の整数倍の振動で、倍音の含有率の違いで様々な音色が生まれる。

純音

純音とは、一つの周波数の音波のことである。単一の正弦関数で表される。

音の指標

音の心理的感覚(sone)

ヒトの聴覚が感じる音の強さであり感覚量のひとつである。
音圧レベルが40dBの1000Hzの純音の音の大きさを1soneと定義している。
ヒトの感じる音の大きさが2倍になれば2sone、半分になれば0.5soneと表される。

音速

音波の伝わる速さ。
音速vは、波長λ周波数fの積である。
媒質の性質や音波が伝わる時の温度などにより異なる。
空気中の音速は、気温の上昇とともに増加する。(1℃上昇するごとに約0.6m/s)

人間と音

耳の構造

音の感覚の受容器である耳は、外耳・中耳・内耳に分けられ、中耳は、鼓膜・耳小骨・鼓室・耳管等で構成されている。
聴覚の刺激となる音には、鼓膜を通じた空気の振動による音(気導音)と、骨を通じて伝わる音(骨導音)がある。
内耳の有毛細胞から聴神経を経て大脳に伝わり、音として認識される。

聴覚

基本的な音圧レベルは0~130dBである。(音圧レベルが140dBを超えると耳の痛みを感じる)
人の聴覚で聴き取ることができる周波数範囲は20~20000Hz(約10オクターブ)で、最も敏感なのは4000Hzである。
音声の周波数範囲は、100~4000Hzである。
超低周波空気振動は、低い周波数で人が聴き取ることができないものをいい、20000Hz以上は超音波と呼ぶ。
加齢に伴い、高い周波数から聴力低下がおこる。
聴力検査で、ある周波数のある音圧の検査音が聞こえたと感じるレベルを「聴力レベル」といい[dB(HL)]で表記する。
定期健康診断ではオージオメータにより1000Hz(低音域)と4000Hz(高音域)の聴力レベルが測定され、マイナスの測定値は、聴力が基準よりも良いことを意味する。



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