ゴキブリの特性
ゴキブリは、夜行性で暗く、暖かく、湿気が多く、狭く、餌や水場に近い所を好む。
一定条件の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。
多くの種類は、屋外で生活し、什器(じゅうき)や壁等の縁や隅を好んで通る傾向が強い。
屋内に生息するゴキブリでも、東北地方や関東地方の屋外で越冬できる種類が知られている。
糞に含まれるフェロモンによって集合性を示す。
成虫と幼虫で同じ雑食性で、生息場所も同じである。
不完全変態(蛹にならず、幼虫からいきなり成虫となる)である。卵から成虫までに1年以上を要する種がいる。
ゴキブリの活動場所における排泄物による汚れのことを、ローチスポットという。
ゴキブリの種類
日本国内のゴキブリ類は5~6種類ほどである。
チャバネゴキブリ
1.5cmほどの小型の大きさで、世界的にも最も多い優占種である。
低温に弱く、飲食店やビルに生息し、屋内で越冬する。
北海道から沖縄まで広く分布している。
40個ほどの卵を、特定箇所に産み付けずに、ふ化直前まで尾端に保持する。年間5回ほど産卵し、発育期間は60日~100日である。
毒餌への喫食抵抗性、殺虫剤への抵抗性を示す個体が知られている。
クロゴキブリ
本州以南の日本家屋に生息し、夏季に分布域を拡大する。
衣服や食品のくぼみや隙間に卵を産みつける。発育期間は1年である。
ヤマトゴキブリ
日本土着種で農村部に多く、野外生活性である。
トビイロゴキブリ
熱帯に生息するが、日本における分布は局地的で、大都市の地下街でも見つかっている。
ワモンゴキブリ
熱帯に生息するが、近年は都市のビルでも生息する。
前胸背板に黄白色の輪状の斑紋がある。
ゴキブリの防除
ローチスポット(糞などの汚れがある場所)に、薬剤処理や毒餌配置をする。
昼間物陰に潜んでいるため、薬剤を直接噴霧して防除することは難しい。
ハエや蚊に比較して発育期間が長いので、駆除後の密度回復には時間がかかる。
ゴキブリ指数
ゴキブリの発生状況や駆除率の算出に用いる指標。
1日1トラップ当たりのゴキブリの捕獲数[匹/日]で、以下の式で表される。
ゴキブリ指数=ゴキブリ捕獲総数/(トラップ箇所×日数)
ゴキブリ指数の水準値は以下の通り。
- 許容水準:0.5未満。
- 警戒水準:0.5以上1未満。
- 措置水準:1以上。
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