ネズミ

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ネズミの特性

ネズミ類は、移動する通路が一定で、体の汚れが通路となる壁や配管に付着する。この通路をラットサイン・ラブサインという。
ラットサイン・ラブサイン形状によって種類を判別できる。
基本的に雑食性で、好みはあるが何でも食べる。
高圧変電器などに触れて、停電事故を起こす。忌避剤で、かじり防止を行う。
ネズミ類からは、食中毒の原因となる種々の病原体が検出される。

ネズミの種類

クマネズミ

都心の建築物に多い優占種である。
雑食性だが、植物質の餌を好む。
警戒心が強く、防除が難しい。
運動能力に優れており、垂直な壁電線を伝わって屋内に侵入する。
尾は、体長より長い。
ワルファリンへの薬剤抵抗性を有した個体が存在し、スーパーラットと呼ばれている。

ドブネズミ

床下や屋外の植込みに巣を作ることが多く、下水道内部にも生息している。
泳ぎが得意なので、排水溝や水洗便所の排水管などから侵入する。運動能力は低い
喫食性が良い。雑食性だが、動物質の餌を好む。
警戒心が弱い
クマネズミより大きく、尾が短い。

ハツカネズミ

農村地帯の畑地周辺に多く、家屋にも侵入するが行動圏は狭い。
種子性の餌を好む。
好奇心が旺盛で、トラップにかかりやすい

ネズミの防除

ネズミの防除は、侵入防止や餌の駆除が基本で、殺鼠剤は補助手段である。
捕獲器具はできるだけ多く設置する。
ネズミの生息調査は、6カ月に1回、発生しやすい場所は2カ月に1回おこなう。

殺鼠剤(さっそざい)

ネズミを駆除する目的で作られた薬剤。
経口的に体内に取り込むことで効果を発揮する。毒餌のほかに通路に散粉して経口させるものもある。経皮的な取り込みはない。
選択毒性が低くに対しても毒性を示す。
但し、有効成分の濃度は低く抑えられているので、人とネズミの体重差から誤食による人体への影響は少ない
陰などに数日間置き、トンネルなどで覆うと喫食が良くなる。
有効成分の含有量が多いと喫食性が低くなる。
農地以外の使用では、薬事法で承認されたものを使用する。
殺鼠剤で死亡したネズミから、悪臭ハエが発生することがあるので死鼠の回収に努める。
配置された毒餌の中の食品類から、貯穀害虫食品害虫が発生することがある。

第1世代抗擬血性殺鼠剤

第1世代抗擬血性殺鼠剤には、ワルファリンフマリンクマテトラリルなどがある。
遅効性なので、3日以上配置して、毒餌を継続して食べさせる。

第2世代抗擬血性殺鼠剤

ワルファリン抵抗性のあるネズミに対する殺鼠剤として、ジフェチアロール、ブロマジオロンが開発されている。
1回の摂取でも効果が得られる。
ブロマジオロンは、動物用医薬部外品(畜舎やその周辺で使用されるもの)で、建築物衛生法に基づく特定建築物内では使用できない

急性殺鼠剤

急性殺鼠剤には、リン化亜鉛シリロシドなどがある。
1回の摂取で致死させる。
ノルボルマイドは酸素欠乏により致死させる。



Ver.1.2.1

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