感染症法
感染症法「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の予防を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
感染症法によって、危険性が高い順に一類~五類、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症に分類される。
都道府県等は厚生労働省が定める「基本指針」に即して、「予防計画」を定めなければならない。
感染症の感染
感染経路
垂直感染
病原体が、親から直接その赤ちゃんに伝播される感染。
水平感染
接触、飲食物、空気、ベクター(動物)などを介する感染。
直接接触感染
感染者から微生物が直接伝搬する感染。接触・性行為など。
性感染症、狂犬病、かいせんなどがある。
飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散る病原体を含むしぶきを吸い込んで感染すること。
感染症の予防対策
- 感染源対策:患者の隔離。
- 感染経路対策:水や空気の浄化、媒介動物の駆除。
- 感受性対策:予防接種、教育、体力の向上。
病原体の分類
感染症は、細菌、ウイルス、真菌(かび)、寄生虫などが体に侵入して、症状が出る病気である。
ウイルス
単独では増殖でないので、生きている細胞中(人体の細胞など)でしか増殖できない。
(代表的な感染症:日本脳炎、B型肝炎、麻しん)
ファージ
細菌を宿主細胞とする一群のウイルスの総称。
リケッチケア
細菌より小さくウイルスより大きい一群の微生物。
単独では増殖でないので、生きている細胞内でのみ増殖する寄生体である。
(代表的な感染症:つつが虫病、発疹チフス)
細菌
体内で定着して細胞分裂で自己増殖しながら、人の細胞に侵入するか毒素を出して細胞を傷害する。
環境微生物に分類される。
浮遊細菌濃度の単位は、[CFU/m3]である。
(代表的な感染症:レジオネラ症、結核)
芽胞(がほう)
一部の細菌が形づくる、極めて耐久性の高い細胞構造のこと。
アルコール消毒などの条件下でも完全には死滅しない。
スピロヘータ
らせん状の形態をした細菌の一グループ。
(代表的な感染症:梅毒、ワイル病)
真菌(カビ)
核を持ち、人の細胞に定着し、菌糸が成長と分枝して発育、増殖する。
酵母は真菌に分類される。
真菌は、アレルゲンとなる。カビアレルゲンの大部分は、数μm以上の粒子である。
真菌の単位は、[CFU/m3]である。
環境微生物に分類される。
一般環境中に生息するカビには、クラドスポリウム、アスペルギルス、アルテルナリアなどがある。
(代表的な感染症:白癬症、カンジダ症)
原虫
単細胞寄生虫。
残留塩素では除去できないものもある。
(代表的な感染症:クリプトスポリジウム症、マラリア)
Ver.1.2.1