給湯設備の保守

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給湯の水質管理

給湯設備は、給水設備に準じた保守管理が必要である。

水質検査

中央給湯方式では、飲料水と同様の頻度で検査を行う。
加熱により残留塩素が消滅する場合があるので、その水質には留意する。
残留塩素の検査については、末端給水栓の温度が55℃以上を保持されている場合、給湯温度の測定に代替えできる。
配管系統の末端や使用頻度の少ない給湯栓では、定期的に停滞水の排出を行い、温度測定を実施する。

汚染時の対応

給湯水にレジオネラ属菌汚染が認められた場合、系統内を高濃度塩素により一時的に消毒する。
基準値を超える一般細菌が検出された場合は、湯を70℃で循環させて加熱処理を行う。
給湯栓から出る湯が分離気体によって白濁する場合は、自動空気抜き弁の空気排出口が詰まっている可能性がある。

貯湯槽の維持管理

定期に、貯湯槽の外観検査を行い、漏れや周囲の配管の状態、給湯温度・返湯温度の確認を行う。
開放式の貯湯槽においては、外部からの汚染の経路となりやすいマンホールの気密性、オーバフロー管の防虫網の完全性を点検する。
定期的に底部の滞留水の排出を行う。
清掃は、1年に1回以上行う。
マンホールのパッキンは、性能検査終了時に取替えを行う。
貯湯槽が複数ある場合は、停滞水の防止のため、使用しない貯湯槽の水は抜いておく
休止中の貯湯槽を再開するときには、点検・清掃を行い、系統内が設定温度になるまで加熱してから使用する。

給湯配管等の維持管理

給湯配管は、1年に1回以上、管洗浄を行う。
各種の弁は、1年に1回以上、分解清掃を行う。
給湯循環ポンプは、1年に1回以上、作動確認を兼ねて分解・清掃を実施する。
逃し弁は、1カ月に1回程度、レバーハンドルを操作して作動を確認する。弁不良による水漏れは加圧ポンプの運転や水道量に影響するので注意する。
自動空気抜き弁は、水漏れの点検を行い、水漏れがある場合には、弁座にごみ等をかんでいるおそれがあるので分解・清掃を実施する。

給湯設備の腐食

給湯配管の腐食は、循環量が多い場合や、流速が速い場合におきやすい。
水温が高いほど、金属腐食速度が速くなるので、給水設備より給湯設備の方が腐食は早期に発生し、腐食速度は速い
給湯設備の防錆剤は応急処置用で、厚生労働省の基準で定めた薬剤の使用が定められている。
防錆剤を使用する場合は、飲料水と同じ方法による。
金属に電気を流すことで、腐食の起こらない防食電位に変化させて腐食を防ぐ電気防食が利用されている。



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