大便器

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大便器洗浄弁

必要最低動水圧は、70kPaである。
一般的に、洗浄水量15Lを10秒間で吐き出す設計となっている。
大便器洗浄弁が接続する給水管の管径は25mm(25A)以上とする。

節水型

節水型の水量は、節水Ⅰ型で8.5L以下、節水Ⅱ型で6.5L以下である。
節水型大便器洗浄弁は、ハンドルを押し続けても、標準吐出量しか出ない仕組みである。

大便器の洗浄方式

汚物を流す方式には、水勢を利用するものと、サイホン作用を利用するものがある。

水勢利用の方式

洗い出し式

和風便器の洗浄方式。
浅く溜まった水面で汚物を受け、洗浄時にトラップ方向に流しだす。
水たまり部分が浅いため、跳ね返りが少ない反面、汚物が露出する為、臭気が発散する。

洗い落とし式

洗浄時にトラップ部の溜水面が上昇し、その落差により汚物を排出する。
単純な構造だが、汚物が付着しやすい。

ブローアウト式

便器手前の噴出穴(ゼット穴)から洗浄水を強く噴出させ、その勢いで汚物を器外に排出する。(サイホン作用は使わない)
溜水面が広く、臭気の発生や汚物の付着を防ぎやすいが、洗浄音が大きい。
水圧が必要になるため、フラッシュバルブのみで使用する。

サイホン作用の方式

サイホン式

洗浄水がトラップを満水にしてサイホン作用を起こし、負圧の吸引によって水と一緒に汚物を流す。
広い留水面が確保でき、水封も深く取ることができるので、臭気が少ない。
タンク内の補助水管がオーバフロー管内に差し込まれていないと、留水面が正常より小さくなる。

サイホンゼット式

便器手前のゼット穴(噴出穴)から吹き出す水の勢いで。強制的にサイホン作用を引き起こす。
サイホン式の特徴に加えて、臭気の発散が少なく汚物の付着も少ない。

サイホンボルテックス式

渦状の水流で、サイホン作用を発生させる。
タンクと一体型で、洗浄音も静かである。

大便器の給水方式

大便器の給水方式には、タンク式、洗浄弁式(便器と別に洗浄弁がある)、専用洗浄弁式(便器と洗浄弁が一体化している)がある。

ロータンク式

床面から40~60cmの高さのタンクに10L程度の水を貯留し、タンクの水を使って洗浄する。
ロータンク内のボールタップは、止水機能を備えていなければならない。

  • 水を流す構造:レバーハンドルをまわすとレバーとつながったチェーンでゴムフロート弁が持ち上がり、タンクの水が便器に流れていく。ゴムフロート弁は自重で閉まる。
  • 水を溜める構造:タンクの水が少なくなるとボールタップの浮き玉が下がり、ボールタップのバルブから給水を行う。水位が上昇するとボールタップの浮き玉が上がり、ボールタップのバルブが閉まり給水が止まる。
  • オーバーフロー管:タンクの水位が一定量を超えた時に管から便器へ水を排水するもの。
  • 補助水管:サイホン式便器では、ボールタップとオーバーフロー管の間に補助水管と呼ばれるゴム管があり、サイホン作用に必要な便器の留水面を広くするためにボールタップから水を余分に流す役割をする。

洗浄弁式

給水管の水を洗浄弁の操作で直接給水して洗浄する。
管内が負圧になり、便器内の汚水を給水管内に引き込むのを防ぐ為に、バキュームブレーカを設置する。
利用人員の多い事務所、店舗、駅、ホテル等の共用部に採用される。
節水型洗浄弁では、逃し弁を二重構造としたノンホールディング機構の洗浄弁を一般的に使用する。
ノンホールディング機構は、操作者がレバーを戻さなくても止水される構造である。

大便器の器具

バキュームブレーカ

給水・空調設備で使用する真空調節弁(吸気弁)のことである。(圧力弁ではない)
負圧が生じたとき、負圧の箇所へ自動的に空気を入れ、逆流を防止する。
大気圧式と圧力式があり、大便器洗浄弁には、大気圧式バキュームブレーカを設置する。

大気圧式

大気圧式は給水用具の二次側(下流側の常時圧力がかからない配管部分)に水受け容器の越流面から150mm以上高い位置に取り付ける。

圧力式

圧力式は給水用具の一次側(上流側の常時圧力のかかる配管部分)に設置する。

フラッシュバルブ

トイレ大便器に設置されている便器洗浄設備で、タンクを使用せずに水道管と直接つながっていて、ボタンやレバーを操作すると水道管からそのまま水が流れる。
内部に水圧によって上下するピストンバルブがあり、動作原理は以下のようになる。

  1. レバーを押すと、ピストンバルブ上部の圧力室にたまっていた水がまずトイレに流れる。
  2. 圧力がなくなったピストンバルブが上に押し上げられることで、水道管から水が流れて洗浄が始まる。
  3. 水道管から水が流れている間、ストレーナーの小さな穴からピストンバルブ上部の圧力室へと水がたまる。
  4. 水がたまることでピストンバルブへと圧力がかかり、下へ押し下げられると水道管からの給水が自動で止まる。

フラッシュバルブの保守

洗浄水量が少ない場合は、ピストンバルブのストレーナが詰まりや、パッキンが摩耗している可能性がある。
レバー部分からの水漏れは、レンチの緩みやレバー部分のパッキンの摩耗が考えられる。

便座

洋風大便器の便座には、プラスチックや木材等が使用される。
温水洗浄式便座への給水は、上水を使用する。
給水系統には、適切な逆流防止措置を講じる。



Ver.1.2.3

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