配管素材

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配管の分類と許容値

水配管の温度

  • 氷蓄熱用不凍液配管-10~-5℃
  • 冷水配管5~10℃
  • 冷却水配管20~40℃
  • 高温水配管120~180℃

蒸気配管の圧力

  • 低圧蒸気配管0.01~0.05MPa
  • 高圧蒸気配管0.1~1MPa

線膨張係数の比較

線膨張係数は小さいものから順番は以下となる。合成樹脂管は他の管に比べると大きい。

炭素鋼鋼管<銅管ステンレス鋼管<<合成樹脂管(ポリエチレン管・ポリブテン管)

炭素鋼鋼管

配管炭素鋼鋼管(SGP)

一般にガス管と呼ばれる。
冷凍機の冷媒であるアンモニアなどの毒性をもつ冷媒や、高圧冷媒配管には使用しない。

黒管

防錆塗装のみ塗布された配管。
高圧力に耐えられる。
蒸気、高温水、油、ガス、空気などに使用する。

白管

黒管に耐食性を高めるために亜鉛メッキ塗布された配管。
低圧蒸気、上水道用を除く水、油、ガス、空気などに使用する。

黒管
白管

水道用亜鉛メッキ鋼管

白管と比べて亜鉛メッキの膜厚が厚い配管。
「水道用」の名称だが、腐食による赤水が発生するため、現在は飲料水用では使用していない。
上水道以外の水配管(消火設備、工業用水など)に使用する。

ライニング鋼管

鋼管の内側に硬質塩化ビニルやポリエチレン粉末などをライニング(表面処理)したもの。
鋼管の強度と耐久性・耐食性を併せもつ。
冷温水管、冷却水に使用する。

接合方法

接合部分で腐食を起こすことがあるので、管端防食継手を使用したねじ込み接合、フランジ接合、メカニカル継手、コア内蔵継手などを使用する。
コア内蔵継手とは、ポリエチレン製のコアでネジ部分をカバーして、水の接触を防ぎ腐食を防ぐものである。
ライニングの破損を起こす、溶接は使用できない。

硬質塩化ビニルライニング鋼管

鋼管の内面に硬質ポリ塩化ビニルをライニングしたもの。
塩ビは線膨張係数が大きいため伸縮に留意する。伸縮管継手の設置間隔は30m程度とする。

  • 水道用:使用圧力は1.0MPa以下。使用温度は40℃以下。
  • 排水用:使用温度範囲は、ー10~60℃。
    管の肉厚が薄いため、ねじ切りはできないので排水鋼管用可とう継手を用いる。
  • 耐熱性:給湯配管、冷温水配管の耐熱性や耐食性が要求される用途で使用する。
    最高使用圧力は1.0Mpa。最高使用温度は85℃以下。(フランジ接合は70℃以下)
 ライニング鋼管

圧力配管用炭素鋼鋼管(スケジュール管)

蒸気など圧力の高い配管で使用する。
厚みによってスケジュール番号が付けられている。

銅管

耐食性に優れている。温水や水に対して腐食や錆の発生はほとんどない。
柔らかいので加工しやすい。
伸縮の影響を考慮する必要がある。伸縮継手の設置間隔は20m程度とする。
水の流速が速いと潰食を起こすため、流速をやや遅めに設定する。
内部に酸化保護被膜が形成されるが、不十分な場合は、銅イオンが水に浸出して青水を起こすことがある。
接合は、フレア継手、はんだ接合、差込みろう接合が用いられる。
飲料水配管の使用は減少しており、冷媒用配管として使用される。

黄銅(真鍮)

銅と亜鉛の合金。五円硬貨で使用されている。

青銅(砲金)

銅とスズの合金。十円硬貨で使用されている。

   銅管

ステンレス鋼管(SUS)

軽量で耐食性が強く、赤水、錆びの問題が無い。
酸化保護被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。
隙間腐食もらい錆(さび)等による腐食が生じる可能性がある。
イニシャルコストは高い。
単式(伸縮量35mm以下)の伸縮管継手の設置間隔は、20m程度とする。
接合は、フランジ接合、メカニカル継手、太い管にはTIG溶接が用いられる。
フランジ接続の場合のガスケットは、酸化保護被膜が破壊されないように、テフロン製(テフロン被膜)を使用する。
冷却水や蒸気還管で使用する。

  ステンレス鋼管

合成樹脂管(プラスチック)

合成樹脂製の配管。
軽量で柔軟なため、切断・接合・曲げ配管が容易で、特に小口径管は長尺(巻物)のため、安易に継目の無い引き回し配管が可能である。
許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。
使用温度が高くなると、材料が変形するクリープ劣化が起こる。
線膨張係数が大きい。
温度の高い湯に使用すると、分子中の塩素・水素が脱離して劣化が生じやすい。

架橋ポリエチレン管(PE管)・ポリブテン管

ポリエチレン耐熱性を改良した架橋ポリエチレン、樹脂ポリブテンを使用した配管。
軽量で柔軟性があり、耐食性・耐衝撃性・電気絶縁に優れている。
青色の水道用と、黄色のガス用等がある。
接合は、接着剤で溶かすことができないため、接着接合は使用できない。電気融着メカニカル接合を用いる。
冷温水配管に使用される。使用温度は95℃以下とする。

PE青管
PE黄管

塩ビ管

ポリ塩化ビニルの管。
内面が滑らかで腐食に強く、金属管に比べ軽量で施工性にも優れる。
耐熱性に弱い
接合は、接着接合を使用する。

グレーの塩ビ管(VP,VU)

VP管は厚肉で、圧力のかかる屋内外の給水管、雑排水管として利用する。
VU管は薄肉で、圧力のかからない排水設備などの無圧管路に使用する。

黒の塩ビ管(HIVP)

耐衝撃性を向上させた塩ビ管。

赤茶色の塩ビ管(HTVP)

耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管。 耐熱性を向上させた塩ビ管で、90℃以下で使用する。

    塩ビ管

その他の配管

鋳鉄管

材料としてねずみ鋳鉄を使用した管。
水道本管で使用していた。
優れた特性を持つダクタイル鋳鉄管が製品化され普及したことから、現在は製造されていない。

    ダクタイル鋳鉄管

ヒューム管

コンクリートで出来た管。
下水道や農業用水に使用される。

    ヒューム管

耐火二層管

繊維モルタルによる外管と、硬質ポリ塩化ビニル管による内管の組合せからなる配管。
火災時の変形などを防ぐ防火管材として、排水管や通気管などに用いられる。

  耐火二層管


Ver.1.2.1

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