運動方程式
運動方程式
$\displaystyle F=mg=ma \ [N][kg・m/s^2] $
$F$:力 [$N$]
$m$:質量 [$kg$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$a$:加速度 [$m/s^{2}$]
加速度と時間の関係
$\displaystyle v=gt=at \ [m/s] $
$v$:速度 [$m/s$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$t$:時間 [$s$]
$a$:加速度 [$m/s^{2}$]
加速度と移動距離の関係
$\displaystyle x=v_0t+\frac{1}{2}at^2 \ [m] $
$x$:距離 [$m$]
$v_0$:初速度 [$m/s$]
$t$:時間 [$s$]
$a$:加速度 [$m/s^{2}$]
回転の運動方程式
$\displaystyle T=Jβ \ [N・m] $
$T$:トルク [$N・m$]
$J$:慣性モーメント [$kg・m^2$]
$β$:角加速度 [$rad/s^{2}$]
運動エネルギー
移動に必要なエネルギー
$\displaystyle W=Fd \ [J][N・m][kg・m^2/s^2] $
$W$:移動エネルギー [$J$]
$F$:力 [$N$]
$d$:移動距離 [$m$]
トルク(力のモーメント)
物体に回転を生じさせるような力。
平行且つ反対向きの2つの力を偶力といい、物体が回転する場合のトルクに値する。
$\displaystyle T=Fr \ [N・m] $
$T$:トルク [$N・m$]
$F$:力 [$N$]
$r$:回転軸からの距離 [$m$]
運動エネルギー
$\displaystyle W=\frac{1}{2}mv^2 \ [J] $
$W$:運動エネルギー [$J$]
$m$:質量 [$kg$]
$v$:速度 [$m/s$]
位置エネルギー
$\displaystyle U=mgh \ [J] $
$U$:位置エネルギー [$J$]
$m$:質量 [$kg$]
$g$:重力加速度 [$m/s^2$]
$h$:高さ [$m$]
回転体の運動エネルギー
$\displaystyle W=\frac{1}{2}mv^2=\frac{1}{2}m(rω)^2=\frac{1}{2}Jω^2 \ [J] $
$W$:運動エネルギー [$J$]
$m$:質量 [$kg$]
$v$:速度 [$m/s$]($v=rω$)
$r$:半径 [$m$]
$ω$:角速度 [$rad/s$]
$J$:慣性モーメント [$kg・m^2$]($J=mr^2$)
連続の式
流体力学における質量保存の法則。
流体の質量は流線上のどの断面でも常に一定である。
流体の密度、流速、断面積の積は常に一定となる。
$\displaystyle ρ_1v_1S_1=ρ_2v_2S_2= $一定
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$v$:速度 [$m/s$]
$S$:面積 [$m^2$]
パスカルの原理
単位面積にかかる力は、どこでも同じになる。
同じ大気圧がかかった状態において、一体となった水の水面の高さは同じとなる。
ベルヌーイの定理
流体力学におけるエネルギー保存の法則。
運動エネルギー+圧力エネルギー+位置エネルギーは一定となる。
速度が速くなると圧力は低くなる。
圧力(Pa)で表した場合
動圧+静圧+位置圧=一定
$\displaystyle \frac{1}{2}ρv^2+P+ρgh= $一定
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$v$:速度 [$m/s$]
$P$:圧力 [$Pa$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$h$:高さ [$m$]
エネルギー(J)で表した場合
運動エネルギー+圧力エネルギー+位置エネルギー=一定
$\displaystyle \frac{1}{2}mv^2+m\frac{P}{ρ}+mgh= $一定
$m$:質量 [$kg$]
$v$:速度 [$m/s$]
$P$:圧力 [$Pa$]
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$h$:高さ [$m$]
水頭(m)で表した場合
水頭とは、流体のエネルギーを水の高さの単位[m]で表したもの。
速度水頭+圧力水頭+位置水頭=一定
$\displaystyle \frac{1}{2}\frac{v^2}{g}+\frac{P}{ρg}+h= $一定
$v$:速度 [$m/s$]
$P$:圧力 [$Pa$]
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$h$:高さ [$m$]
エネルギー(J)と圧力(Pa)の関係
$\displaystyle J=PV=P\frac{m}{ρ} \ [J] $
$J$:エネルギー [$J$]
$P$:圧力 [$Pa$]
$V$:体積 [$m^3$]
$m$:質量 [$kg$]
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
圧力(Pa)と水頭(m)の関係
$\displaystyle H=\frac{P}{ρg} \ [h] $
$H$:水頭 [$h$]
$P$:圧力 [$Pa$]
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
圧力損失
流体が機械装置などを通過する際の、単位時間単位流量あたりのエネルギー損失。摩擦損失とも呼ばれる。
損失は装置内の抵抗に打ち勝つためにその分だけエネルギーを消費することによる。
配管などの内部の流れに対しては、出入口の圧力の差で定義される。
圧力損失 =入口の全圧ー出口の全圧(全圧=静圧+動圧)
ダルシー・ワイスバッハの式
配管に流れる流体と管壁の摩擦に起因する圧力損失、損失水頭を表す。
圧力損失
$\displaystyle Δp=λ×\frac{1}{2}ρv^2×\frac{l}{d} \ [Pa] $
$Δp$:圧力損失 [$Pa$]
$λ$:摩擦損失係数
$ρ$:密度 [$kg/m^3$]
$v$:流速 [$m/s$]
$l$:管の長さ [$m$]
$d$:管の内径 [$m$]
損失水頭
$\displaystyle Δh=λ×\frac{1}{2g}v^2×\frac{l}{d} \ [m] $
$Δh$:損失水頭 [$m$]
$λ$:摩擦損失係数
$g$:重力加速度 [$m/s^{2}$]
$v$:流速 [$m/s$]
$l$:管の長さ [$m$]
$d$:管の内径 [$m$]
レイノルズ数
流体力学において流れの乱れやすさを示す数値。
慣性力/粘性力の比で定義される無次元数である。(単位のない数)
無秩序な乱れによる流体塊の混合を伴う流れを乱流といい、管内ではレイノルズ数が4000程度以上となる。
無秩序な乱れが無い定常な流れを層流といい、管内ではレイノルズ数は2000以下である。
レイノルズ数は、速度に比例する。
動粘性係数は、粘度/密度で、大きいほど流体中の物体が動きやすいことを表す。
(レイノルズ数の式では、分母が大きくなるのでレイノルズ数は小さくなり層流になるように思えるが、実際には動粘性係数の大きい流体は密度が小さく軽いので速度が速く、分子の速度に相殺されてしまう)
$\displaystyle Re=\frac{VD}{ν} $
$Re$:レイノルズ数
$V$:速度 [$m/s$]
$D$:代表長さ(管の場合は内径) [$m$]
$ν$:動粘性係数 [$m^2/s$]
摩擦抵抗係数(摩擦損失係数)
管内の流体の摩擦によって生じる抵抗力の無次元数。(単位のない数)
ムーディー線図によって、摩擦損失係数(摩擦抵抗係数)、レイノルズ数、相対粗度(管内の粗さ)の関係が表されている。
摩擦抵抗係数は、乱流ではレイノルズ数に無関係でほぼ定数となる。層流ではレイノルズ数に反比例する。
低速では、抵抗が小さければ、流れが乱れやすい。(レイノルズ数が大きい)
気体の関する法則
ボイル・シャルルの法則
気体の体積Vは圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する。
絶対温度Tが一定の場合、圧力Pと体積Vは反比例の関係にある。
$\displaystyle \frac{PV}{T}=\frac{PV}{273+t}= $一定
$P$:圧力 [$Pa$]
$V$:体積 [$m^3$]
$T$:絶対温度 [$K$]
$t$:セ氏温度 [$℃$]
温度による体積の変化
圧力が一定で温度がt℃上昇した場合の体積の変化V0→V1は、以下の式となる。
1K温度が上がるごとに1/273ずつ体積が増加する。
$\displaystyle \frac{PV_0}{273}=\frac{PV_1}{273+t}$
$\displaystyle V_1=V_0+\frac{t}{273}V_0 $
理想気体の状態方程式
理想気体の密度、圧力、温度の関係は、以下の状態方程式で表される。
$\displaystyle PV=nRT $
$P$:圧力 [$Pa$]
$V$:体積 [$m^3$]
$n$:物質量 [$mol$]
$R$:気体定数
$T$:温度 [$K$]
気体の状態方程式
理想気体の状態方程式の物質量nを質量mと分子量Mで表すとn=m/Mとなり、さらにm/Vを密度ρに変換する。
温度が一定なら、密度と圧力は比例の関係にある。
圧力が一定なら、密度と温度は反比例の関係になる。
$\displaystyle P=\frac{m}{M}\frac{RT}{V}=ρ\frac{RT}{M} $
$P$:圧力 [$Pa$]
$V$:体積 [$m^3$]
$m$:質量 [$g$]
$M$:分子量 [$g/mol$]
$R$:気体定数
$T$:温度 [$K$]
$ρ$:密度 [$g/m^3$]
アボガドロの法則
同温同圧のすべての気体は、同じ体積中に同じ数の分子が存在する。
標準状態(0℃、1気圧)で22.4L中に1mol=6×1023の分子が含まれる。
気体の圧縮と圧力・温度
気体をピストンなどで強制的に圧縮すると、ピストンに当たった内部の分子は、速度が上がり運動エネルギーが増えることになる。
速度の上がった分子は、衝撃力も上がるので圧力は上昇する。
熱とは分子の運動エネルギーなので、運動エネルギーが増えたことにより、内部の全体エネルギーも増えて気体の温度も上昇する。
理論的には、断熱状態で圧縮のために加えられる動力(機械エネルギー)は、すべて気体の温度上昇になる。
エアロゾル粒子に関する公式
エアロゾル粒子の終末沈降速度(ストークスの式)
流体中を落下する物体の終端速度は、ストークスの式で表すことができる。
排水処理の浮上分離法での油分の分離・浮上もこれに当てはまる。
但し、法則が成立する条件は、粒子が球形であることと、レイノルズ数が2未満であることが必要である。
粒子は落下すると重力加速度によって落下速度が増加するが、空気による粒子の抵抗も速度とともに大きくなる。
二つの力が釣り合うと、等速度(終末沈降速度)で落下する。
球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。
$\displaystyle v_s=\frac{D^2(ρ_p-ρ_f)g}{18η} $
$v_s$:終末沈降速度
$D$:粒径
$ρ_p$:粒子密度
$ρ_f$:流体密度
$g$:重力加速度
$η$:流体粘度
エアロゾル粒子の受ける抵抗力(ニュートンの抵抗法則)
一定速度で流体中を運動する物体の受ける力は、ニュートンの抵抗法則で表すことができる。
粒子の抵抗は、粒子の投影面積(粒径)、流体密度に比例し、相対速度の2乗に比例する。
$\displaystyle D=\frac{1}{2}C_DρU^2S $
$D$:抵抗力
$C_D$:抵抗係数
$ρ$:流体密度
$U$:相対速度
$S$:投影面積
エアロゾルの抵抗係数
抵抗係数は、粒子が小さくなると、気体の分子と衝突することにより、気体の分子運動の影響を受けやすくなる。
- ニュートン域:レイノルズ数の大きい(500<Re)乱流の領域。抵抗係数はレイノルズ数に無関係で、ほぼ定数(0.44)となる。
- アレン域:レイノルズ数の中間(2<Re<500)の領域。
- ストークス域:レイノルズ数の小さい(Re<2)層流の領域。抵抗係数はレイノルズ数に反比例する。
エアロゾル粒子の拡散係数
粒子の拡散の速さを表す比例定数。
液体や気体中に浮遊する微粒子が、不規則に運動する現象をブラウン運動と呼び、ブラウン運動の関係式として拡散係数が用いられる。
粒子の拡散係数は、粒径に反比例する。粒子が小さいほど活発となる。
エアロゾル粒子の沈着速度
大気中に存在する物質が地表面に移行する過程が沈着であり、沈着速度とは沈着する割合を示す。
沈着速度が求められていれば、汚染物質の沈着量を求めることができる。
エアロゾル粒子の沈着速度は、単位時間当たりの沈着量を気中濃度で除した値である。
気流に平行な鉛直面への沈着数は、等濃度の場合、粒径が小さいほど多いので、粒径に反比例する。逆に水平面なら粒径に比例する。
エアロゾル粒子の再飛散は、沈着した粒子が壁面から離れて再び気相に取り込まれる現象である。ストークス領域(層流の状態)の粒子の再飛散は、ほとんどない。
エアロゾル粒子の表面付着力は、ファンデルワールス力による。
エアロゾル粒子の電気移動度
電気移動度は、電気を帯びた粒子が電場で動かされるときの動きやすさを表す。
浮遊粒子を荷電し、その荷電粒子の荷電量あるいは静電場での移動速度(電気移動度)を測定して、粒子の大きさを知ることができる。
浮遊粒子の電気移動度は、電界中の電荷をもつ粒子の移動速度を電界強度で除した値である。
電界中の電荷を持つ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。
$\displaystyle μ=\frac{v}{E}=\frac{q}{6πrη} $
$μ$:電気移動度
$v$:移動速度
$E$:電界強度
$q$:粒子の電荷
$r$:粒子の半径
$η$:溶媒の粘度
Ver.1.2.5