加湿器・除湿器

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加湿器

暖房時の低湿度の改善に使用される。
加湿効率は、噴霧される水量の内、どれだけの量が空気に付加されたかを表す。蒸気噴射式・気化式で100%、水噴射式で40%である。
水噴霧式の加湿効率は、噴霧する水の粒径が大きくなれば低下する。

蒸気噴射式

蒸気を発生させ、噴射して加湿する。
外部の蒸気発生源から蒸気を導入するタイプもある。
吹出し空気の温度は上昇する。
蒸気を作る段階で、かなり高温になるため、微生物の類は死滅する。
蒸気を製造する方法で、赤外線式電極式パン型などがある。

赤外線式

赤外線ランプを利用して水を加熱して蒸気を作る。

電極式

電極を通電して水の不純物の運動エネルギーで蒸気を作る。
電気を通さない純水は使用できない。

パン型

蒸発皿内の水を電気ヒーターにより直接加熱して蒸気を作る。

水噴霧式

微細な水滴を噴霧して加湿する。
常温蒸発で加湿するため、蒸発潜熱により吹出し空気の温度は降下する。
蒸発潜熱が顕熱となるので、加湿前と加湿後で湿球温度は、ほぼ変わらない。
水に含まれるミネラル成分や細菌類不純物を全て振動によって撒き散らすことになる。
水を噴霧する方法で、高圧スプレー式、遠心式、エアワッシャー式、超音波式などがある。

高圧スプレー式

ポンプで加圧した水をノズルの小孔から噴霧する。

遠心式

水を遠心力で吸い上げ、高速回転盤により霧化して噴霧する。

エアワッシャー式

水の霧の中に空気を通過させる。

超音波式

水を超音波の振動によって微細な粒子にして噴霧する。

気化式

水をフィルタに透過させて加湿する。最近の主流である。
常温蒸発で加湿するため、蒸発潜熱により吹出し空気の温度は降下する。
蒸発潜熱が顕熱となるので、加湿前と加湿後で湿球温度は、ほぼ変わらない。
結露する可能性は低い。
水を気化する方法で、滴下式、吸上式、透湿膜式などがある。

滴下式

加湿エレメントに滴下した水に、ファンの風を当てて気化する。

吸上式

水槽の水をフィルタに毛細管現象で吸い上げて気化する。

透湿膜式

水を含ませたチューブ状の膜へ空気を通し、水蒸気のみを放出する。
給水中の不純物は透湿膜で除去され放出されない。

加湿器の保守

加湿用水として水道水(軟水)を使用する。硬水はスケールやスラッジの原因となる。
装置内の水で繁殖した微生物や細菌が、加湿の過程で放出されることがあるので、加湿器を清潔に保つことは重要である。
ボイラーの蒸気は、薬剤成分が含まれるので、直接噴霧しない。

点検

使用開始後、1カ月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。
加湿器の電磁弁不良による水漏れは、加圧ポンプの運転や水道量に影響するので注意する。

清掃

1年以内ごとに1回清掃する。

除湿の方法

除湿には、冷却減湿法、化学的減湿法(吸収・吸着)、圧縮減湿法がある。
化学的減湿法では、吸収熱・吸着熱が生じて乾球温度は上昇する。これは、水分が凝縮する際の潜熱が顕熱となるためで、除湿前と除湿後で湿球温度は、ほぼ変わらない。

冷却除湿法

空気調和機内の冷却コイルに空気を接触させ、露点温度以下にして結露させて除湿する。
最も一般的な除湿方法である。

吸収除湿法

吸湿性のある塩化リチウム水溶液や塩化カルシウム水溶液などの吸収剤と空気を触れさせて除湿する。

吸着除湿法

シリカゲルやゼオライトなどの固体吸着剤と空気を触れさせて除湿する。

圧縮減湿法

空気を圧縮、冷却、結露させることで除湿し、乾燥空気をつくる。
冷却除湿方式に似ているが、圧縮に必要な動力が非常に大きいため、ほとんど使用されない。

再熱除湿

エアコンなどで使用される除湿方式で、冷却除湿による除湿を行い、冷えた空気を温度調整のために再熱(レヒート)を行なうもの。
従来の圧縮式冷凍サイクルの冷房では、室外機の凝縮器により熱を放出して液化した冷媒は中温・高圧となり、膨張弁によって低温・低圧の状態で室内機の蒸発器に送られる。
再熱除湿では、室外機の凝縮器で一部だけ液化された冷媒はそのまま室内機へ戻され、そこで凝縮機能の一部(再熱)を行い、室内機側の膨張弁を通して蒸発機能(冷却除湿)を行う。

除湿器(ドレン)の保守

点検

室内機の熱交換による結露の水はドレンとなり、ドレンパンに溜まる。
空調機内の排水受け(ドレンパン)は、1カ月以内ごとに1回、汚れの状況や水が溜まっていないかを点検する。
天井カセットエアコンでは、ドレンパンに溜まったは水はドレンポンプによって配管を通して外へ排出される。ドレンによって発生したスライムが排水系統を詰まらせると、ドレン排水ができずにドレンパンの水位が上がり、フロートスイッチでドレンエラーとなり空調は強制停止する。
ドレンエラーにより空調が停止した場合の応急措置としては、ドレンパンのゴム栓を開けてホースでバケツなどにドレン水を抜くことで、一時的に使用できるようになる。
スライム発生を抑える薬剤としては、銀イオンの抗菌剤が使用される。



Ver.1.2.3

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