問題

方針
「高圧電路の絶縁耐力試験」の計算問題です。(平成19年問11と同じ問題です)
解法
(a)
「高圧電路の絶縁耐力試験」
各要素の計算は以下のように行う。
- 試験電圧(V)
使用電圧6600Vの場合、電圧は1000V超なので、最大使用電圧は、6600×1.15/1.1=6900V
7000V以下の電路では、試験電圧(交流)は最大使用電圧の1.5倍なので、V=6900×1.5=10350V - 静電容量(C’)
試験は単相交流で3線同時に行うので、1線の対地静電容量の3線の並列接続と考える。
(1線のみ試験する時は3倍しない。3線分の静電容量が与えられている時も3倍しない)
C’=3×1線の対地静電容量×ケーブルの長さ - 充電電流(IC)
IC=試験電圧/静電容量のリアクタンス=V/XC=2πfC’V - 補償リアクトル電流(IL)
補償リアクトルがある場合。(試験の電源容量削減のため補償リアクトルを設置する場合)
IL=試験電圧/補償リアクトルのリアクタンス=V/XL=V/2πfL - 試験電流(I)
I=充電電流-補償リアクトル電流(無い時は0)=IC-IL - 試験回路のインピーダンス(Z)
補償リアクトルは変圧器に並列接続である。
LC並列回路なので、アドミタンスは1/Z=2πfC’-(1/2πfL) - 試験容量(S)
試験用変圧器に必要な容量。
単相皮相電力なので、S=試験電圧×試験電流=VI=V2/Z
※試験用変圧器の容量は、必要な試験容量Sより大きくなければならない。
※試験用変圧器の一次側にある発電機に必要な容量も、損失が無視できる場合は変圧器の一次側と二次側で容量は変わらないので、試験用変圧器の容量と同じである。
1.試験電圧(V)を求めます。
問題文に最大使用電圧6900Vが与えられています。7000V以下の電路では、試験電圧(交流)は最大使用電圧の1.5倍なので、試験電圧Vは以下となります。
$\displaystyle V=6900×1.5=10350 \ [V] $
2.静電容量(C’)を求めます。
問題文にケーブルの対地静電容量として、1km当たり0.45μFが与えられています。長さは800mなので静電容量C’は以下となります。
$\displaystyle C’=0.45×10^{-6}×0.8=0.36×10^{-6} \ [F] $
3.充電電流(IC)を求めます。
充電電流(IC)は、試験電圧/静電容量のリアクタンスで求めます。
$\displaystyle I_C=\frac{V}{X_C}=2πfC’V=2×3.14×50×0.36×10^{-6}×10350≒1.17 \ [A] $
(b)
4.補償リアクトル電流(IL)を求めます。
1台の補償リアクトルの電流は270mAなので、設置台数をn台とすると、補償リアクトル電流ILは以下となります。
$\displaystyle I_L=270×10^{-3}×n \ [A] $
5.試験電流(I)を求めます。
I=充電電流-補償リアクトル電流となります。
$\displaystyle I=I_C-I_L=1.17-270×10^{-3}n \ [A] $
7.試験用変圧器の容量が決まっているので、超えないようにする補償リアクトルの台数nを求めます。
試験用変圧器の容量は5kVAなので、試験容量はこれより小さい必要があります。
試験容量は、S=試験電圧×試験電流となります。
$\displaystyle 5×10^3>VI $
$\displaystyle 5×10^3>10350(1.17-270×10^{-3}n) $
$\displaystyle n>2.5 $
補償リアクトルの台数は3台となります。
解答
(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(3)となります。

